花清
風祭功×水野
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「まだ…痛い?」



呼び掛ける声に返事は無かった。

だが、確かに

白面一色だった頬は赤く色付いて

少しづつ自分を飲み込んで行く内膣が、その変化を物語って居た。


「初めてだとは思わなかったから…」

「驚いた…よ」


「っ…ぃっ…ぅ・・…」


自分の声等恐らく聞こえてはいないのか、

ベットの端を掴もうとしきりに空へと伸ばされた腕も、知りながら強く腰を引き付けた自分のせいで

届く事無くシーツへ落ちて、きつく皺を作って居た。

じわじわと自分の中を切り開いて来る異物に返って怯えて強張る身体に…

覚悟を決めて、一切奥まで細い管を突き進めば


「…ぃっ〜〜〜!!!」


大きく息を飲んだ身体が一瞬強張って

次の瞬間にはとんでもない圧力で自分を締め付けて来て居た。


「っ…」

思わず、もれる声…

腰を抱えているだけで

震えの走る腰や両の股の緊張は一目両全、

気付けばやっと再奥まで挿入を終えた自分さえ、そこから一歩も動けないままになって居た。


繋がったここから見えるのは

なだらかな背中と、男と言うにはまだ細い首筋…

柔らかな肩の筋肉がめい一杯強張っているのが、痛々しかった。

歯を食いしばりばがら

痛みを堪える息の音に…

「やっぱり、痛いかな?」とやや申し訳なく思いながらも、

自らの顳かみを伝って行く汗に…苦笑。


「水野君…、力、抜いててね…」

「!?」

聞こえた声に

彼が肩ごしにこちらを振り向いたのと、身体の中を大きく男のそれが抉ったのは、

同時だった。










どうしてこんな事になったのか

と言うのなら、きっと嘘で

後悔と言えば

何故、今日に限ってまた将が

居なかったのだろうと言う事位…







その日彼が家のドアまで辿り着いたのは

朝の7時を過ぎてからだった。


馴染みのお客と、いつものアフターの後

いつもの場所で別れて帰宅…

そんななんて事ない週末の一幕のハズが

どうにもこうにも、今日に限って味わうこの労疲感は何なのか…

肌に残る柔らかな女の感触や匂い、

とっくに馴れたそれが嫌と言う訳じゃ無い。

それでもこう、朝があけると時々…、あの虚飾の世界で交わした生暖かさの全てに

嫌気がさすことも、あるのだ。


ああ…俺ってばホント根が真面目だから…

などと一人ゴチしてみても、冴えざえと明けた朝焼けの中答えるのはカラスの声だけだった。


重い頭を引きずって、玄関の戸を開けると…

目に入ったのは、開けっ放しになった弟の部屋の戸、

何だ…と思いながらも、誰でも…とにかく真っ当な人の顔が見れるのは誰でも嬉しいし…

と微かな期待を胸につかつかと近付いて

ひょいと覗き込むものの…

そこはもぬけの殻だった。

「将…?」と出かけた声を慌てて飲込む。


…あ、しまった…

そう言えば、夕べ泊まりに行って来ると告げて、夕飯前に家を出て行ったでは無いかと…


何故…今日に限ってこう嫌な事は続くのか…ささやかとは言え

こうして思い通りに行かない一つ一つに落胆と苛つきを抱えたまま

ベットへと潜り込んだのは

ついさっきの事だった…








「はい。」


しつこいベルの音にたまらず

意識も半分戻らないまま、とにかく黙らせようとドアを開けたそこに立って居たのが

彼だったのだ…


「あ、お早うございます…」

「ああ…、君は、えっと水野君だっけ?」


自分を見上げて来る、しゃんとしたその少の年姿。

「すいません、こんな早くに…その」

「…あー、将なら昨日から出かけてるんだ…」

と困った振りをしながら急いで寝癖を直したり…

「…っそうですか、借りてた本とノート返そうと思って、明日彼もテストだったの忘れてて…」

と、困った様に顔を曇らした彼に

「・・・。」

「…まあ折角来たんだし、コーヒーでも飲んで行かない?」と


その時

その子に

今日は帰る当ても無い弟を待つ様に促したのは

本当に何となく…だったのだ。






招き入れた居間のソファーへと座る横顔は

相変わらず、子供の癖に綺麗な顔。

彼をめぐった、親父さんや、将の前の学校の先輩とのいざこざを

耳にしていたから、余計…

何の無防備のまま窓の外を眺める彼を、何の関係も無い自分がタダで眺めていると

言うのが、なんだか役得に思えて仕方なかった。

それだけの人間が、彼を気にかけていると言うのに

『君は誰に振り向くんだろうな…』等と、つい兄貴ヅラをやきながら

きっと本人は気付きもして無いそれに内心苦笑して

沸いたお湯をポットへと移そうと、視線を反らした瞬間、


「お仕事、遅かったんじゃないですか?」

かかった声に、まさか視線に気付かれていまいか?と…どきり。

「ああ、けどもうどうせ眠れそうにないから…」

「すいません…」

「いや、僕の方こそ。」

差し出したカップを受け取りながら

苦笑した顔は、もう大人の顔。


そうかこの子…両親離婚してたんだっけ…


「ちょうど愚痴をこぼす相手も居なくて困ってたんだ…」

「愚痴を?」

「そうだよ、」

向かいに腰かけながらそう言った俺にフッと笑う笑顔。

「風祭からは逆の事ばかり、聞いてましたけど」

「う〜ん、まあギブアンドテイクだね、」


やばいな…


と思ったのは

その時だった。


窓から入ってくる光の傾斜があの時と

全く同じ陰影を彼に落としていたから


それは過去一度、彼に手をだし兼ねたあの勉強会


あの時は夢ですんだからと

カップに口を付けながらふと物思いに視線を反らした視界の端に

確かにこちらを伺った彼が

映ったのだった。


「そう言えばこの前も、無理言って勉強見ていただいて」


思わずコーヒーをフキだしそうになりながら

「ああ、アレ、」

使いぱしった弟が帰って来る前に

水野を残して1人曝睡していたと言う失態をありありと指摘され

動揺隠せず…。

「いや…悪いとこ見せちゃったね…」と苦笑いしながら顔をあげるが

見返す彼は、笑んでは…居なかった。


「水野君?」

「…・・あ、いえ、すいません」と視線を反らす


ずっと夢だとは思っていたけど、曖昧だったあの日の事が甦って

ぐっと重くなる気持ち…

同時に沸いて来る、微かな…



「今日って風祭、泊まり…ですよね?…」

「何だ、知ってたのか…」

「そういえばそんな事話してたの、思い出したので…」

「そっか、…あーゴメン今日忙しかった?」

「いえ、そう言う訳じゃ…」

「どーも、いつもいるのが居なくて調子狂ってた所なんだ。そこに丁度水野君がきたから」

付き合わせちゃって悪かったね…


交わしながら

だがもう

その時既にこの場の違和感は、否めなかった。


自分の顔を見たまま、黙って立上がろうとした竜也の腕を

そっと掴む、

微かな抵抗、だがどちらも焦りはしなかった。


「この間…」


「続き…して行く?」


何とも言えない面持ちで、自分を見返す顔を見ながら

ゆっくりと、微笑んだ。















あんなに痛がって居た身体も

今は自分の上に馬乗りになって

もう殆ど自らのなすがまま

腰を揺する、

自分より遥かに上の運動神経で、グランドを駆け回るあの少年が

こんなにも容易く手に落ちる程、華奢な作りだったのかと、驚く程…

自分の胸の上に手をつきながら

目をつぶり幾度も震えの走る身体をやり過ごして居た。

「水野君…」

呼び掛けに答えて開いた瞳はぼんやりと霞んでいて

上気した目元が快感を物語る。

打ちつけるたび吸い付いて来る内壁に

負けずと奥へ裂いて行くと

より強く彼が嫌がった場所をめがけて腰を引き寄せて行く。

吐息まじりだった嗚咽は

どんどん酷くなって、天上へとこだましていた。

「ぁっ…・ぁぁ・ぁ……っ」

「そう…いいよ」

「っ…・・ぃ…っ….」

まだ一度だって放たれた訳じゃ無いのにぐちゃぐちゃと酷い音を漏らすそこに

彼が何度も視線を下すのに気付いて

そのまますっと背中へ腕を伸ばすと

繋がったその箇所に指を、突き入れたのだった…

「…!!…ぁっぁ・・」

悲鳴より先に大きく見開いた目が、きつく歪んで行く

再び痛みに上がりだした悲鳴にもお構い無しに動き続ければ

やがて泣き声も甘く崩れて行った。


更に虚ろになった瞳から幾重も涙が頬を伝い、俯いた顎を伝って自分の上へと落ちてくる。

時折耳の横から髪を撫でてやりながら

目の前で立上がっているそれを掴んだり放したり…弄ぶと

「…ぁ…やっ…っ…」

両の腕が伸びて来て、自分の指にそれをやめさせようと、拒絶して居た。

「ん…・ぁ・あ…」


時々その状態を見ながら

普段の彼を良く知っているが為に

本当に、この子元に戻るかな…なんて言う心配が浮んだり

まさかここまで感度の良い子だとは、何となく…感じてはいたけど

何の膏薬も使わずにここまで溶ける男…否、女さえ知らなかったのだ。


時折、幾度もしゃくりあげるその様子に気付いて

限界を知る。


自分は中に入れたまま、

抱え上げた身体をベットへと倒して、足を深く折り曲げた。

「っ…ぁあ…・・あ…」

そのまま一度止まって一度息を付かせると

赤ん坊の様な瞳が自分をまじかで見つめて居たが…

やがてそれがふといつもの色を取り戻したのを確認してから

再び動だした。


「水野クン?…いい?」

ずっと深く押し入れば、反って…だが寸での所で悲鳴を堪える仕草…。

我に返してしまったのは不味かっただろうか…

否、惜しくはあったけど、

そんな事を考えながら

狭い入り口を自分が裂いて行く感触だけははっきりと感じていたのだ。










「うわっ!功兄っ、」


「功兄?」

頭の上で微かに自分を呼ぶ声

暗くなった目の前にやがて見えて来た光は

西の窓から差し込む見事な夕日だった。

「びっくりしたあ…こんな所でどうしたの?」

聞き馴れたその声に、寝ぼけた頭をゆっくりと起こすと

そこは寝室ではなく玄関の床の上だった。


そうか、俺はさっきの客に出ようとして…

結局ドアへ行き着けづ

ここで寝てしまったらしい、覚えが…


やっと甦って来た記憶に絶句しながらも

顔をあげれば、あの懐かしい実弟の姿に…何となく、ほっ…

「ああ…将、お帰り…」

「え?あ、ああうん、ただいま。」

それより大丈夫?

と覗き込んで来る心配そうな顔に

「ああ、大丈夫…」と…しかし

一連の夢の続きを思いながら、やっぱり

大丈夫じゃないかもしれないと思う、功だった。








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久しぶりにエロを入れたら、これは表用だからとかいう変な意識が働き(今更なのに)
何とも味気ないエロになってしまいました(陳謝;



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