面倒くせ。

これからあいつらと帰るのも。

特にデリカシーゼロの○代とか。

運良く誰も居無くなった部屋で荷物をつめる。

今はもぬけのカラになった。前のベットがちらっと目に入る。


色々あった。

けどまー不思議と気分はスッキリしてた。

どんな事でも、自分が納得すればそれはそれで諦めが付く。

監督の横暴を恨む事も、水野竜也を目の敵にする事も(むかつくには変わんねーけど)

なくなったわけだ。

監督が正しかったって事で。幕を閉じる。

それだけは許せる事じゃ無かったが。

ま、いーや。全てはこれからって事で。


事実もう。あいつの実力を認めざるえない自分が居た。

こんなことで負けねーけどな。

いつかあいつが森に来るような事があっても、もう2度と10番はわたさねえ。

そう思うだけで十分だった。俺は武蔵森の10番だ。

だから近藤とか根岸とか中西とか。根岸とかだのの慰めはもう考えるだけで、勘弁だった。

得に心中喜んでそうな中西とか。

…笠井とかなんか。むしろお前が痛い。


はやくいかねーと。先に出て行った間宮がちらりと自分を振り返ったのを覚えてる。

こんな所でもたもたしてたら何を邪推されるか。特に渋沢。

なんて事をつらつら考えていたその時。

がたんと誰かが部屋に飛び込んで来た。

お迎えか?と顔をあげるが。

「…三上。」

よりによってお前ーかよ。水野竜也。


目があったがシカトした。

忘れもんでも取りにきたらしく、畳んだ布団を広げてごそごそやっている。

「藤代達が、受付で待ってたぞ。」

後ろを向きながら話し掛けて来る。

「あっそ。」

俺は手早に荷物をまとめると出て行こうと立ち上がる。

−−−!! 

と思ったら。

目の前の通路を誰かに塞がれた。

同じ様に歯ブラシ片手に今帰ろうと狭い通路に出て来た水野だった。

・・・・。テメーはどこまで俺の邪魔する気だ?おい。ああ?


「何だよ。」「んだよ。」

同時だった。

布団ちらかして歯ブラシ片手に出て来た姿があんまり間抜けだったから、すかさず突っ込んでみる。

「何忘れてんの?」

むっとしながら、予想通り。ちょっと赤くなった。

「関係ないだろっ。」

睨む顔も、ちょっと前とは違って見える。

この3日で。三上は気付いてしまった事があった。

鉄壁の笑みだと思われていた水野竜也の生意気は、半分が整った顔立ちのせいだったって事に。

中身は案外自分らと変わらなかったりして…。


「何だよ」

「別に」フンと笑う。

「早くそこどけよ。コラ」

「お前こそ退けよ。」

・・・・・。

この後に及んでムカ付いたので。

ふざけついでに至近距離からどかない顔にちゅっと口付けた。

とたんに電気の走った様に固まる水野。

うけるうける。

まだ逃がさない。

「ん……っ…。」

目を閉じてやや眉を顰めながらも耐える水野。

舌を入れて角度を返ると…このまま押し倒したい気分に。

…音は無かった。だが新しい空気が流れ込んで来る。

ちっ。

あのチビ。

水野も気付いた様だった。

ぱっと離れて、今閉まったドアの方を振り返った。

「誰?」

「お前んトコのチビ。」

「そうか。」

それから、ちょっとバツの悪い顔で三上の顔を見ると。

「じゃな。」

と短く言って通り過ぎて行った。

・・・・・。

どーも。


どことなく重ねた時に思い出した水野の匂いが残ってる気がしたが。

不思議とその日は悪い気分はしなかった。

桐監が報告終えて出て行こうとした渋沢を呼び止めて、誰かさんの合否をこっそり聞いてたとしても。

根岸が頼んでも無いのに泣きながら抱き着いて来るまでわ。

笠井が荷物チェックとかいって食堂のテーブルに俺の荷物をぶちまける間でわ。


お前らホント。殺すぞ。



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気付けば。ウチの三上はキス魔だった。(涙)
↑私良く使ってますね。この言葉。なんでだろ。ボキャブラ少ないからね・・・。






































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