密会
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「あーーあっちいー」図書館を出ると。そこは焼き付くような炎天下。
目に刺さるような光の反射に目を細める。
「ねーキャプテン。ミスド寄って行きましょーよ!」「は?ざけんな。」
このクソ熱いのにあの甘ったるい油の匂いなんかかいでられるかっつーの。
「俺はロイホ。サイテ−でもガスト。」
「えーー遠いいじゃないすか。」
「うっさい。」と言って後ろから小石をけ飛ばす。
文句を言った所で、この辺じゃ家ばっかで店なんて無い。
「藤代、ちょうど近いし、あそこで良いんじゃ無いか。」
あそこー?渋沢の言う先へと視線を巡らすと。
「うわっ。」
「スカイ○ークだあ!?」
まだあったのかよ・・・。
「すっげー久しく見ましたよっ!俺ーー!」
それだけで嬉しそうな藤代。バカは楽でいい。
そんな会話を交わしながら、三上の意識はとっくに違う方へと飛んでいた。「あ、俺ちっと煙草買ってくっから」
と前を歩く二人に声をかけると、さり気なく自販の方へと道をそれる。
「三上?…」
と振り向いた渋沢と藤代に。
「後でな。」と軽く手を振った。
「ああ。」
二人の背中が角を曲がるまで見送ってから、自販へと向かう。
さっきすれ違い様に遠くに見えた、あいつの影を探す。いつもの金パと並んで、二人で居た。
向うもこちらに気付いたが、三上と目が会った瞬間パちりと視線をそらしていた。
何で、こんな所にあいつがいんだ?よりによって今日、笠井は一緒に出かけてこなかった。
小銭を入れ様としている時、突然横から腕を引っ張られた。そのまま、すぐ脇のビルと民家の間の小道へと引っ張り込まれる。
息を切らした水野。
「よお、早かったじゃん。」
「・・・まーな。」
まるで何かに追われている様に、ちらっと今来た方を確認する。
「ちょっと抜けて来ただけだから。」と
「ふ〜んあの彼氏?」
「・・・まーな。」
「いーの?放っといて。」
「時間無い。」
それは本当らしく、三上の挑発にも乗ってこなかった。
ちょっとつまらなそうにしてから、まあいいか…
と竜也の顔を覗こうとした三上の首にその腕が回され。
どちらとも無く口付ける。
できるだけ深く
角度を変える度に深く。もっと深くと重ねあう。
三上の腕が相手の腰に回って、その体を強く引き寄せた。
背中を上がって髪の中へと指を通し、指の隙間を通り過ぎて行く細い髪をくしゃりと掴む。
「んっ…」
竜也から小さな余韻が漏れた。
目をあけると、目の前で閉じられた睫毛がどこか濡れ味を帯びて震えていた。
もう一度その身をさらに抱き返す。
・・・小さく御音を立てて唇が離れる。
息を付くと、そっと自分の胸元に寄てくる額に軽く唇を落とした。
…………。
甘さによう事を許された。つかの間の時間。
しばしの沈黙の後。
三上が切り出した。
「行った方がいいんじゃねえ?」
今日始めてマトモに三上の正面から竜也が顔を上げた。
「ああ。」
そう言っても、腰に回された三上の手は離れない。
「…じゃーな。」「・・・まだ別れねーの?」
「あんたこそ。」「俺はあいつとは別れねー。」
「俺もだよ。」
そう言って三上を見返す視線は、甘さを残さないいつもの無表情。それが精一杯の虚勢。
笑う余裕なんてなかった。
それを見た三上の目が何かを悟った様に驚きに見開かれる……
「あれ−−!?佐藤じゃん!」すぐ向こうで響いた藤代の声に2人同時にはっとする。
止める間も無く腕の中の温もりが、するりとぬけて駆けて行った。
水野は振り返らなかった。
冷たいコンクリの壁に寄り掛かると、コンと頭が音を鳴らす。
「・・・・・。」
水野が出て行った通りの明るみを見ながら満足げに三上が笑いを漏らす。
欲しいなら、お前が言ってみろよ。
お前が本気なら。俺はかまわないのに。
あの時。お前の声が聞こえた気がした。
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私にも意味不明です。読み飛ばしを希望。
関連の話が見つからなかったので、単品で。出してもうた…。
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