unバースデイ3
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パタンと後ろ手で半開きになって居た戸を閉めると、足音が一歩一歩とこちらへ近づいてくる…
「〜〜〜・・・!」
来る!と思った足跡は、
まっ青になって硬直する藤代とその下に組み引かれた水野の横を通り過ぎると、落ち着いた仕草でギシリとすぐ脇のベットへと座った。
「だから、何してんの?」
1度目とは違う軽い声色。怒りを露にしない無表情がなお怖い。
「いや・・・えっ…と。」
油汗で三上の顏を見ながら今だ竜也の中に入っている指を少しづつ抜き出そうとするが。
途端抜苦痛に歪む顔。
仰け反った喉元が悲鳴を上げそうになってそれも叶わない。
三上はただ黙って散らかったその部屋を一景すると、コートを脱ぎマフラーを外し。
そして再び元の位置に足を組んで座った。
すぐ足下には床に転がる竜也の茶色い髪が散っていて。
「ふ〜〜ん。」
「・・・・。」
そのまま下の顔を覗き込むと涙を耐えた竜也の顔と目があう。
何か言おうとした竜也をさえぎって、ふいにその手を伸ばすと汗で額に張り付いた髪を拭ってやる。
桃色に上気した頬を通って優しい仕草で撫でると「ん…。」と漏らして竜也が目を細めた。
その顔を覗きながら言う。
「何してんの?」3度目の問い。
「…」
「続ければ?」
「!!?」
当然それは竜也に言われたものでは無かった。
頭一個下の部分で息をひそめて三上の行動を見守っていた藤代が驚いて顔をあげる。
「…や…そりゃちっと。つーかコレには訳が…」
と今度こそ本当に身を起そうとするが、亮の視線がそれを許さなかった。
「だから?」
刺すより重い無表情。
『こ、こえーーー!!』
2年間共に寝食いしてきて、多分始めて見る三上の顔だった。
自力で身を起そうとする竜也の肩を後ろからガンっ!と床へ叩き戻すと、強かに頭を打った竜也が苦しむのもかまわずに間髪入れず上半身を自分の足の間へと持ち上げ。
「あっ」と一瞬にして、竜也の上から引きずり落とされた藤代のあっけに取られた顔を、
上から冷ややかに見下げて居た。
う…わ。マジでキレてるよ。
「いーからやれよ。」
「・・・・。」
「渋沢にチクられんのと、どっちがいい?」
「内緒にしてやるつってんだぜ?」
いつもの口調で笑みをたたえながら言う。
「けど、俺」
「お前はともかく、お前の身体はそ−言ってねーんじゃねーの?」
げっ。
とその時始めて自分の状態に気付いた彼が珍しく他人の前でテレながら下を向いた。
俯いたと言うより、確認したと言う感じだったが。
・・・・・。
さっき竜也の中から引き抜いた指はまだ濡れていて。
ドクり。と自分の中で血流が脈を打つ。
経験の無い訳じゃ無い体は、正直言って。
だが。
ちらっと三上を見ると「やれよ。」と視線で促され。
やらずに帰ったら殺される。やってもきっと殺される。
引きつった笑顔を向けても許される気配は無く。
当の水野はうなだれたまま。何時の間にか三上によって両手は後ろ手にねじられ、だらんと両足をこちらに投げ出したまま誠二へと身を差し出していた。
一度息を飲むと、ゆっくりとその足の間に屈んだ。水野ごめん!と再び心の中であやまってから。
さっきので既にファスナーの外れたズボンに手をかけると、刺さる様な水野の視線を感じたが。途端後ろで三上が腕をねじりあげ「うっ…」と微かな声と共にそれが消えて行く。
トランクスを降ろすと、さっき遂げたばかりだと言うのに立ち上がりかけたものが目の前に現れる。「・・・マジで?すごくねー?」喉が鳴る。
水野がその言葉にそっぽを向き三上先輩が喉の奥でククッと笑ったのが分かったが
もう、そんな事どうでもよくなったいた。
自分の中から込み上げる衝動にかられて行く。
すでに力の入らない両膝を立ててやると、静かに先端から口に含んだ。
「やっ…・・ろ…あっ…あ…」肌がざらざらに栗毛だっていた。
ぴちゃぴちゃと響く音が耳を犯して。意識が混濁して行く。
「…先輩そっち跳ねない様に持ってて下さいね。」
「おー。」
耳もとで声が聞こえる。
「ぁ…・ぅ…っ……上」
「何?」
「み…かみ?…」
ちゅっと軽く重ねられる唇。
後ろから抱いて来る暖かい腕はいつもの奴なのに。
「ホラ見て。」耳もとで囁かれる声。
顎をつかまれ前をむかされると、藤代の口を出入りしている濡れた赤い肉塊。
目がクギ付けになる。…とても自分のモノになんて思えないそれ。
「あぁ…あっ・ぁ・ぁ・あああ−−−!!!」
けれど伝わって来るごっちゃになった苦痛と快感がコレがお前だと告げる。
「どう?気持ちいい?」
後ろから抱いている三上には竜也の上がって行く体温が如実に伝わって、それを感じていたくて更に自分の胸へと抱き締めた。
何故だと…その腕はいつもと変わらないのに。
何故こんな?…聞きたい事は沢山あったけど。
一つも声に成らない。
「っぅ・・・・っ…」
裏筋を舌先でなぞられると、大きく反り返り息を詰める。
「泣かない。」
自然とこぼれ落ちる涙を手の平に拭われる。
その時、竜也の体が大きく跳ねた。
今までペニスをなぞっていた舌が茎部と後部の間を通って後ろの入り口へと辿ったのだ。
「ちょっ…ま…じで…い・・し・・・ろ。」
がばっと大きく広げられた股の真ん中に藤代の頭が見えて、
「ー−!!」もう信じられない事態に耐え切れず堅く目を閉じて肩口へと顔を埋めた。
曝けだされたそこに誠二の熱い吐息がかかる度、差恥に白痴にでも壊れてしまいたい衝動にかられるのに。
それが又より強い快感へとなってじんと体の芯を上がって来る。
やけにリアルな感触でそこが濡れて行くのがわかった。
意識は混沌として行くにも関わらず、感覚だけが研ぎすまされて行く。
「……っ・・んっ・・・・ぁ。」
何時の間にか誠二の舌の動きを追って自ら意識しようとしていた自分に、はっと我に帰る。
思い出した様にぱちっと目を開きそろっと横を見ると、三上も今自分が感じていたのと同じ場所を凝視していたのだ。
とたんかあっとあがる体温。
「あっ・・。」指が中に入って来た衝撃といってもすっかり融されたそこはあっさり飲み込んだが。
身をよじったせいで三上がこちらに視線を戻し。
目があう。ちょっと上気した顔がいつもと違う顔に見えた。
色のある三上も・・・以外と好きかもしれない…。なんて事を思ったり。
降りて来る彼とゆっくり口付ける。
「…ん…。」
舌を絡めると竜也の前じゃめったに吸わない煙草の味がした。
音を立てて離れてから再び首筋から肩口へと唇が降りて来る。
「…ぁぁ・・っ…。」
「お前の中すげーぬれてる。」
指を入れてるのは藤代だが。分かっているのに耳もとで囁く三上に一々体が反応を返してしまう。
もういっかなーと思って顔をあげると。自分の一寸先で二人がラブっていた。…えーっと。どーしよっかな。取りあえず。
俺も限界なんで。
「先輩、いいすか?」
とりあえず、確認。
汗を拭いながら顔を上げた誠二を三上が視線だけでちらっと見る。
「ああ。」と声には出さず口がそう言った。
そしてまた水野を泣かしに掛かる。
ああって言われても…上半身は三上先輩に取られてるし。
う〜ん。と少し考えてから腰をぐんと引っ張って、何と三上の腕の中から竜也を取り上げたのだった。
再び床の上に寝そべる竜也。
何が起こったか分かっておらずその焦点が混乱しているウチに足を抱え上げ一気に押し入った。
「いっーーー…っ・・・ぅ…く…」
反り返る背中。
「っ!・・・なっ、せまっ!…」
女とは比べ物にならない始めての圧迫感に、藤代も思わず息を詰まらせる。
「ぁ・・っ…まっ・・・あああ…ーーー!!!」
「…水野・・もう・ちっと力ぬいて…な?」
聞こえているとは思えなかった。
それでも何とか、持ち前の器用も手伝って彼が奥へと進んで来る。
自分の体の横で震えるひざ小僧に誠二が気付いて…余裕がある訳じゃ無いのにクスリと笑みがもれる。
水野ってかわいい。
「ぁああ−−!!ぁ…あ・・あっ・」
動き出す度に歪む泣き顔にだんだん引き込まれて行く。
初めは傷つけない様につけていた加減も、無意味なものへとなって行った。
濡れた音が耳に付く。
「な・・・俺、いい?」
「っ…う・・っ・・・ぁ・ぁぁぁっ…あっ」
突然腕の中からするっと盗まれた出来事に一瞬ムカっとした三上だったが、…目先の誠二を睨み付けてから再びベットへと座る。普段頼んでもあまり声をあげる事のない竜也の大きな嬌声に唖然としながら、
「おい。傷つけんなよ。」
そう言いながら目は釘付けになっていた。
コレは薬のせいだ。
こいつはこいつじゃ無い。
そう思いながらも腹のそこから湧いて来るこの胸に詰まるような重い激昂は。激しい嫉妬。
なのに、もっと犯せと声が言う。
ガクガクと揺れる体がふとこちらへ頭をもたげた気がした。
嗚咽を漏らすその顔が自分へと向く。
「ふん…よお、この淫乱。」
微かに歪む顔、きっともう声は届いていない。だから苛立ちに任せて言える台詞。
それは不思議な陶酔感。
自らの指示によって犯しているのに。
知りながら、自ら嫉妬にかられていく。
「…つぅ・・・。」
藤代が離れても力無くその場に横たわっている身体。
上半身の服はそのまま、脱がされた下半身の長い足が立てたままの膝を恥じらう様に閉じていた。
その下には床を濡らす漏れた粘液の水たまり。
「・・・・。」
それを見ながら次の衝動にかられつつも三上が竜也を覗き込む。するととたん何も写っていないと思われた目から涙がこぼれ、伸びた腕が三上の首に巻き付いて来た。
「って…おい。あーちっと。」
いきなり引っ張られて共に床へと座り込む形へとなったが。
竜也が離れない。
「・・・・。」
上半身を起してやると腕の中へ抱え込み頭をなでてやる。
三上の肩に顔を埋め鼻をすする音がした。
「これで…いいのか?」
水野が呟いた。
!?驚いてその顔を見ると。
薄く微笑んでいた。
気でも狂ったのか?
ぎょっとして覗き込むと。
くすっと吐息を残して耳もとに囁く。
「感じた?」
竜也が人をわざと挑発する時に使う、あの優越の笑み。
「・・・・。」
一瞬凍り付いた三上に着替え途中だった藤代までも振り向いたが。
そのまま竜也は事切れていた。
何となく下股に手を伸ばせば、自分のモノでは無い男の液が溢れて来る。
口元に軽い笑みを浮かべながら、何処か悲しげに歪んだ寝顔に小さく唇を寄せた。
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難産でした。あ〜終わった!(ー▽ー。。。)
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