マグラドグラ
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話があると呼び出された屋上に、シゲは居なかった。
良く晴れた午後の空気は澄んでいて、さえぎる物の何も無い太陽に目を細めながら、
遠くの景色を見渡す。
あいつ。結局何の用だったんだ?自分から呼び出しといて…。
もう一度ぐるりと屋上を隅まで見渡してから振り向いたそこに。
「よお、タツボン。」貯水タンクの上からストンと落ちる人影。見覚えのある金髪が光に散っていた。
竜也の顔を見つけると、顎を引いてにっと笑う。
「ああ、そこか…」
「おお、早かったな、うっかり寝てもうたわ。」
と大きな欠伸。
「お前またさぼったな。いつから居たんだ、そこに。」
呆れた様な瞳に見つめられて、相変わらずの堅物振りにくっと苦笑を漏らす。
「こんな天気のええ日に勉強なんてしてる方がどうかしとるで?」
「・・・・。」
近付いて来る自分を見ながら無言で溜め息を付くその顔にカラカラと笑い。
「まあええやん。」
「で、何の用なんだ?」
衣替えが終ったばかりの黒いガクラン。
両手をポケットに入れながら少し首を傾げてこちらを見ている姿は、サッカー部長水野竜也より、女子生徒の王子「水野君」と言った感じ。
相変わらず、何処か気取ったそのお澄ましに、今日は笑いが込み上げるのが止められない。
「や、用って程や無いんやけど。」
「今度の金曜から月曜までちょい用あってな、部とガッコ休むさかい。ゆーとこう思うてな。」「…ああ、別にかまわないけど。出かけるのか?」
「ちとな。」
「そーか。」と言ったきり深くは聞かない。
「わざわざこんな所で断って来るなんて珍しいな。」
「ま〜ちっとな。それに…」
「何だ?」
「タツボンに話もあったし。」
「?」やっぱり有るんじゃ無いか。と思いつつ。
顔には出さないまま自分の隣まで来て居たシゲの顔を真直ぐに見れば。
くっと突然シゲが吹き出して、
「なっ、何だよ!」
「や、相変わらずや思うてな。」
はあ?と言う顔で眉をしかめて、自分を見下げてる竜也を、腹を抱えて笑う振りをしながら上目ずかいで見上げて、
「なあ…俺ちょい出かけんねん。」
「だから?」
「ここもう今日は誰もこんし。」
「・・・・。」
ぐっと近付いた自分から、今日の竜也は逃げなかった。
そのままぐいっと手の平で顎を引き返される。
照れてる?と言うよりあからさまに煙たそうな顔で。
「・・・やめろよ。」と。
「何や、御機嫌斜やな、」
と白いパーカーのポケットに手を突っ込みながら首を竦め、
やや上目遣いにその顔を覗き込めば、取り澄ました顔の奥に揺れる微かな昂揚を見つけ、
クスリと笑う。
「たまにはええやん、」
「それとも、まさかあのタレ目に操を立てとるん?」
「!・・・。」
目を見張った竜也と、正面から向き合う。
「まさか。」
「さよか?…ならええけど。」
真直ぐ見れば、怒ったような顔で真直ぐ見つめ返す竜也。だが、いつものような抗いも否定もその口から出て来る事は無かった。
無言のそれは否定か、肯定か…。
ガクランの下は尻の半分まで下げられたズボンと下着。もうすっかり勃上がりながら根元を三重にした輪ゴムで縛られて、ポタポタと粘液を垂らす自分をそのままに…
そのままコンクリの上に静かに膝を付くと、ドア前の段に腰かけたシゲの両足の間へと静かに顔を埋めた。
時折走る震えにびくりとしながら、何とか波を噛み殺し、手早にシゲのベルトへと手をかける。「そんなに急がんと。」
両脇からその柔らな髪を掻きあげて、感触を楽しみながら、
勤めて表情の無い顔が、それでも軽く頬を上気させながら、下着の上から自分の膨らみかけたそこにそっと指を這わすのを喉の奥で小さく笑っていた。
やがて、トランクスの割れ目から目当ての堅い肉塊を取り出すと…一瞬睫毛を伏せながら、
ちゅっとその先端に口付けた。
「・…・」
そのまま横にずれて、自分の頬に付いて行く精液にもお構いなしに、舌から上へと側面を舌で滑る。
竜也が頭をしずめる度にガクランの端から見え隠れする、肌色の丘陵。
「あんた、ほんまやらしいな…」
嘲笑まじりに漏れたシゲの声に、竜也が視線だけを上にくれていた。
「…っ・・」
「っ…ん・・…」
くちゅくちゅと漏れる音に混ざる鼻にかかった小声、
堅くなった先端が、竜也の柔らかな頬を掠める度に、シゲがドクりと脈を打つ。
まるで腰から下は既に自分では無いような、感覚。
薄らと目元を染めながら、無心に自分に吸い付く竜也を、ただ上から憮然と眺めていた。
何もかもが、完璧に彩られた。
虚構。
男を昂ぶらせる為だけに仕込まれた、上質の…御人形。
何も映っていないその瞳を、彼はそれでも綺麗だと思った。
「竜也…」名を呼べば。
上目ずかいに顔を上げる。自らの股の間にペタンと座り込んだその姿はまるで従順な犬の様で、
かっちりと着込んだ男児の象徴である、その黒い詰め襟とのギャップが、余計シゲを煽った。
口の端に付いた自らの精気を優しく指でなぞって。
そうしながら、すっかり前をはだけた服の中へと手を差し入れて、腰を立たせ自分の上へ来る様に無言で促す。
「んっ…・・」
足を広げなければならない体勢に小さくもれる声。
戒められたままの竜也の根元は、既に赤々と腫れて痛々しく震えていた。
それをシゲに見せつける格好になりながら、何とかその膝の上を跨ぐと、ゆっくりと腰を降ろした。
見上げた顔は差恥に染まっていたが、どこか虚ろ。
「あんたホンマにヤらしやっちゃな。」
そういったシゲにも、
文句一つ。抗議一つない。
冷たい性交。
ただ上がって行く体温と、純粋にその身体から溶け出した粘液だけが、二人を煽って行くだけだった。
「っうっ…」ヌルっと言う感触と供に竜也の中にがシゲ納まる。
とんと落ちて来た竜也の身体からはミントの香がした。
「タツボン。」
全部を納め切れたのを確認してから声をかければ、
汚れた顔で…だがさっきと同じ無表情がこちらをむいた。
軽く頭をふって乱れた髪を視界から追いやる。
確かに上気してるのに。幾ら上気してもやっぱりどこか涼しい顔。
繋がってるそこだけが火傷しそうに熱かった。
くっと抱き寄せれば、それだけで背を仰け反らせ、産声を上げる。
「選抜、楽しく無いん?」「・・!?・…つにっ・・ぅ」
「ええ男…おらんの?・」
一拍おいて、ま、ここにこんなんがおったら、中々な…
などと一人ゴチして口調だけで笑う。
「べ・・つに…」
「今考えれば可笑しいな。」「?・・っ」
「あんたをこんな身体にしたのはあんたのおとんなのに…そいつがあんたを男子校にぶち込もうしとったなんて。」
「…良く考えれば身の毛もよだつ話や。」
ぐっと深く差し込んむと、
再び持ち上げて…落とす。
「っっぁあっー!」悲鳴と一緒に粘膜の卑劣な音も一緒に耳に響いた。
激しくなった呼吸に胸が上下して、シゲの肩口を掴んでいた指が爪を立てた。戒められた竜也も限界が近いらしく、酷く震えていて、それは食い込む指からも伝わって来ていた。
「それとも、その方が…」「あんたの為やったのかな?」
「あ・・っく…っひ・・ぁ」
「ぁっ・・ざけ…んなぁっ・・・」
速くなっていく挿入にガクガクと身体を揺らして、吐息まじりの嗚咽をひっきりなしに漏らす。
そこに有るのは確かに女のものでは無い、無骨な少年の物なのに、
気付けば溜まらずその腰を掻き抱いていた。
中で弾けたまま、暫くじっとしている。自分の肩口に顔を埋めながら荒い息を吐いている竜也の鼓動を感じて、自分も吐息を付く。
肩からズレ落ちた制服を腕に絡めて、そのまま後ろ手に縛る。
ふっと笑いを漏らした気配に竜也が力無く身じろいだが、やがてもう一度息をすうと動かなくなった。
そっと身体を放せば、完全に色を変えた竜也のソレ。
さて、どうしようかと、指で触れただけで肩が跳ね上がっていた。
ゴムとゴムに絞られて、ハムみたいに盛り上がった肉の丘に指を這わせながら、
「なー、タツボン…」
竜也は顔を上げない。
「今一番好きなの誰?」
「・・・・・。」
爪をたてれば、予想どおりの大きな悲鳴。
「正直にゆーてくれん?…なら虐めんでやるさかい。」
「・・きな…つ・・なんて・居ない…」「ほな、気に入っとる奴でええわ、」
「っぁぁ・・っ…・・お前・・と」
「俺と?」
ヒト指し指で根元から裏筋をなぞり上げる。
「俺と…あのタレ目やな?」
「ーーーーーーーっ!」
声にならない悲鳴を堪える竜也が、もう限界だと大きく頷いた。
とたん、渾身の力を込めてシゲがそこを握りしめていた。
赤い夕焼けが、既に朝焼けにも見えた。
どのくらい気絶して居たのか…
シゲはもう居なかった。
服は綺麗に整えられていて、入り口にただ封のあるコーラの缶が置かれていた。
「・・・・・・。」どうやって誰にも会わずに部室のシャワーを使おうか何て、考えながら
ドアを開けて、誰も居ない事を確認してから、
軽くホコリを払うと竜也も数時間遅れて、その階段を下って行くのだった。
あと数時間後には、もう1人からの呼び出しが待っていたから。
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精神的にアレだと書く物もアレですね…すいません。調子で無ないんだ…(−−;)
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