ラウンドゲット
あくまで昭栄の偏見と独断によって語られております(ー▽ー;)。
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『何お前まで赤くなっとーとや!』

だって。

フフフ……☆。と腕を組みながら一人笑いがもれる。

しかし、

「お前、面白え。認めちゃあたい。俺も認識を改めた。」

と手を出した3秒後に不破の首を閉めていたカズの姿も同時に思い出す。


「カズさんて、割に気ー多いけん。」

受けなのか。攻なのか。当然そんな事本人が気付いてるはずも無く。

一人溜め息の昭栄。

ただでさえ先輩。

ただでさえあの性格。

渋沢に。

水野に。

俺に。(笑)

…んでもって不破ねえ。

「はあ。男の道は険しかね。」


「……お前、何言っとうと?」


さっきから一人でぶつぶつと何やらでかい独り言を言っていた昭栄に、とうとう横から突っ込みが入る。

突っ込みながらも関わらない様に苦笑いで通り過ぎて行く城光キャプテン。

「な、なんでもなかですたい!」

と周りを見渡せば、別に誰にも気にされて無かったのにほっとし、再び考察に戻る。

さすがの昭栄にもこれを人に聞かれるのはちょっと…と言う自覚はあったらしいが。

(本当はまる聞こえだったが。昭栄の事なので、もう誰も気にしていないだけだった。)

と、そこで初めてはっとして目の前に座る功刀へと目をやると…。

幸い当の功刀は試合に集中しているのか、昭栄の声は聞こえて無い様子だった。

ほっとして胸を撫で下ろすのもつかの間。


「ったく。渋沢も渋沢や。」

「幾らあいつがおもろいかて、あんげなぶっちょう面の何処がよかんだ!」

して無かった…かと思えば。

「ー−−!!!!あの金パ!渋沢に…!」

「あいつを倒すのはこの俺じゃっつーんに。」

昭栄程では無いとは言え。こっちはこっちで忙しかった。


ああ…。


「か、カズさん?」

「なんじゃ?煩か。」

あっ。とその視線が今度は二人して、大きく足を振り上げてパスを回した水野にクギ付けになる。


「・・・・・。」

何はともあれ、やっと静かになってくれた2人に、人知れず肩を撫で下ろす城光だった。





この大会が終われば3年生はもう卒業。

「カズさん。俺もカズさんの行く高校目指しますけん!またよろしくお願いします。」

「おお。」

帰り道、突然そんな事を言い出した昭栄を横目でちらっと見上げながら言う。

「ばってんお前、俺が何処行くか知ってて言っとっとや?」訳すと偏差値の話し。

「俺にはスポ薦がありますたい。」

「えばって言う事じゃなかわ。」

「精進します!」

「おお。期待せんで待っとるけん。」

早咲きの夜桜が風にまっていた。夜の空気の中に花の匂いが混ざる。

「そんで、いつかカズさんからゴール奪ってみせますけん。」

「あ?」

「そしたら…。」

一度鼻をすすってから。

「俺と付き合うてくれんですか ?」

前を向いて言った。なるべくさらっと会話の流れの様に。ちょっと照れていたけど。

殴られるか。蹴られるか。

それとも…。

そおっと横を見ると、複雑な顔でカズさんがじっと見上げて来ていた。

意外だ。それとも時間差か。

「お前それは…下手すっと一生無いけん。」

がーーーーん。

「もうちょい手前にしときい。」

え?

と聞き返す昭栄の横を何とも無い顔ですたこら歩いて行く。

「カズさん!」

「何じゃ?」

「ありがとうございます!!」

はっ?と言う顔になったが、「ああ。」と短く言うと

その時始めてちょっと照れ隠しに歪んだ顔になって。そっぽを向いた。

ニヒヒと笑った昭栄が足を速めてもう一度功刀に並んで歩調を合わせる。


「ま、その前に俺が渋沢抜くばってんな。」

「・・・・。」

「じゃあそげん前に、俺がゴール…。」

カズの笑顔。



「いってえーーーーーーー。」



少し間をおいてから、本格的に星の輝きだした空に昭栄の謝礼が響いていた。







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九州弁がつらいので、ここで終了。今回は熊本弁変換機を使いました。
ホントは2人共違う気がするんですがわからないので。もうよかばい(涙)

……本当は何処なんだろうね・・・。出身地も書いて欲しかった。





























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