スペシャルデイ後
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そっとめくり上げて行くと、布の下から見なれたはずの…だが記憶とはどこか異なる白い肌が、顔を出した。

意気揚々とめくり上げた三上だったが、思い描くのと、実物との思わぬギャップに

…思わず喉が鳴る。

竜也に掴まれて居た右手をそっと引き抜くと、少しだけ上げたシャツの隙間から忍び込ませる。

そんなつもりは無かったが、狭い中手の平が何処かに触ったらしく、途端、竜也が身じろいで。

かまわずみぞおちへと手を付いた。

柔らかい、肌の感触。


腹の上に触れる冷たい手に思わず身震いして、

じりじりと、迫って来る一瞬に。

勿体ぶってるこの方が余程やらしくて、ああ、こんな事ならさっさっと…等と。

ちらっと見上げれば、何と真顔で自分のシャツの中へ視線を凝らす三上の姿。

一瞬にして頬に血が登る。

そして

「…っ」

冷たい手に、胸の膨らみを捕らえられる。

彼の手の中にすっぽりと納まってしまう小さな隆起。

だがそこは柔らかく、ふわふわした…女のそれだった。

「・・・・・。マジで?」

感嘆と奇異の混じった三上の声。

ほんの少し摩られただけで、

「ぁっ…」

悲鳴が漏れそうになって、

堅くなった先端を親指でなぞられる度に肩が震えた。

差恥に耐え切れず、飛び出しそうになる否定を何度も飲み込む。だが。

そのまま三上が覆いかぶさろうとした瞬間。

溜まらず、起き上がってその胸板を押し返して居た。


「・・?んだよ…」

明らかにムッとした顔。

「…やっぱムリ。」

「だからやんねーって。」

「無理だろ。」

「は?何が?嘘じゃねーから。つーか。」

と言いつつ内心ドッキリしながら…。

自分の両腕を抱きこんでそっぽを向いてしまった竜也を見る。

ちっ。

態度には出さなくても、こんな時ばっかり空気で伝わるものなのか…(?)

本来そー言った駆け引きに負けた事のない亮には、かなりの不服だったが。

しかも今だって、段取りを外れた訳じゃ無いのに。

眉をしかめながら、片手で髪を整える。

「わかった。もーやんねーから。」

「・・ごめん。」

テレでぶっちょうヅラに成りながらも、ぼそっとそー言った竜也の頭に

溜め息と一緒にぼすっと手を置いて、そのままなぞって頬まで持って行くと。

フイっとこちらに視線を上げた顔を引き寄せた。



途端。

響いた竜也の悲鳴に、足を滑らせそうになったのは、


ドアの前にコップを付けていたシゲじゃ無くて、今階段から来たばかりの風祭だった。

「なっ…」

声を漏らしそうになると、二人から「しーー」っと人指し指を立てられて…

張り付くシゲの隣にもう一人。

ついさっき「着替えてくるから」と上がって行ったはずの(タツ叔母)百合子の姿。

「ちょ、二人とも…」

と小声を出そう物なら、もっと強い調子で阻まれるて。ひらひらと手で向こうへ行けと合図されるが…。


だって今の声、

なのにこの二人。

まさか中に三上が居るとは知らない風祭は、一体何してるんだ!?と言う軽い怒気が込み上げて、

「今の水野君の声、何かあったんじゃないですか!?…二人ともっ!!」

と声を張り上げる。



心臓が縮まったのは中に居た竜也も同じ。

今、中に進んで来る真っ最中の三上の強烈な痛みをこらえながら。

ドアの外に居た連中に愕然。

しかも、

「水野君、大丈夫?」と恐らく二人に取り押さえられながらも話しかけて来るかザの声。

大丈夫ではない。確かに、だが

「…ほっとけよ・・」

小さく漏れた声はほとんど涙声。

「…ぃ・・っ…・」

真後ろの喧噪に眉を顰めながらも、焦らなかった三上に感謝する。

本当に初めての時は確かにこんなもんじゃ無かった気がするけど、

これはコレで結構痛い。

「・・っ…・ぅ…・」

流れる涙が止まらない。

それを幾度も指で拭われて、濡れた瞳に見下げて来る男の顔をゆっくりと写す。

上は脱がない。と言う約束で。

どーしても我慢の効かなかった三上にとうとう竜也が折れたのだった。

いつもよりずっとその形をリアルに感じて、誰に教わるでもなく自然と締め付けて誘う。

半泣きになって上がる声が三上の耳を犯して行く。

もう男じゃ無いのに、こいつは男のハズだと言う意識が、いや、実際。

本人が自分を男と思っている以上、男なのかも知れなかったが、

息を詰めて自分を見つめる姿に口付けた。ぐっと深く折れた腹と脈打った自分に竜也が顔を歪めるのが解ったが、

構える程余裕は無かった。

「ん…っ・・ぁっ・・・あぁっ」

額に一つ唇を落としてから動き出した。





微睡みの中、目を閉じて、自分の胸に頬を寄せている顔を見ながら、流れる髪を飽きもせずすいて居た。

こいつこのままだったらど−する気だ?

…つーか、ま。

別に俺はそれでもかまわねーけど。

思いながら、自分も眠りに付こうと、隣で眠る体を引き寄せた瞬間。



ばんっ!


と凄い音。開かれた扉に倒されたカラーボックスの音が重なって…寝て居た竜也まで飛び起きた。

見れば、その箱の上にこけた風祭に、その後ろから思いっきり彼を押しただろうと言う体勢で固まるシゲ。

「・・・・よ、よお。」

目を丸くする二人に、ニっと苦し笑いして、

「ああ、タツボン、飯やって。」

「へぇ〜…そーかよ。」

答えたのは三上。

「せやで、」言いながら

フと微かに鼻で笑ったシゲに、三上の見えない血管がぴりぴりと張り詰めて行くのが解った。

同じ様にフンとやりかえすと、二人の間で気まずい空気に飲まれて居た竜也を後ろから抱き寄せ、

再びベットへと戻す。

「ああ、後から行くっつっといて。」

「は?俺はタツボンと話しとるんやで?」

「し、しげさんっ!」

顔面から床に沈んで居たカザが何とか復活して来て、間に入るも。

「ポチは引っ込んどれ、」

「…つーか。お前達…ずっとそこに居たのか?」

こっちに顔を上げた竜也の一声。


「・・・・・。」


「タツボン、明日も学校きーへん?」

「…多分。」

「そか。」

そう言って、笑った顔はいつものシゲだった。

「ほなまた来るわ。」

ほとんど逃げる様に、そそくさとカザの背中を押して出て行く彼等に、思わずベットから降りようとした竜也だったが。

手を掴まれて、再び逆戻り。



再び静かになった部屋の中、


「で、どんな夢見たって?」

「え?ああ。」

すこし言いずらそうに三上の顏を見れば、

手まねきされて再び布団に潜り込む、ぎゅ〜っと抱き締められてから力を抜いた。

なんだか女子の様な扱いにムッとしながらも、大人しく従っておく。

「お前さあ。」

「何?」

「誰か呪った事ある?」

「は?あるわけ・・…、」

そ−言われてみれば、去年のちょうどあの頃。そーあの事件の頃。

たまたま人とだべってた寺の木に、縛り付けてあった人形に。マジックで。分け目描いたかもしれない…。

もちろんふざけて。

誰と聞かれれば、間違い無く水野竜也のつもりだったが。


「ねーけど…。」

「だよな。」

そー。つーか、ある分けないからんな事。しかも今さらだし、と自分に言い聞かし。

「それが何?」

「だから、そ−言う夢だったから。」

「?」

「人形が…叶えてやるって・・」『怖っ!』口にはださず。

「何を?」

「さあ…・」

どっちも違う意味での暗黙。


「取りあえず、明日病院行って来るから。・・・付き合えよ。」

照れて毛布に潜って入った竜也に三上がクッと笑う。

「いーけど、どこの?」

竜也、思わず考える。

「内科?婦人科?」

「まさか。」

「じゃどこだよ…」

「寺!」


…どこまで勘付てんだこいつ。

「そのままでもよくねぇ?」

「どこが!」

暫くは逆らえそうに無い亮だった。





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おそまつでした。すまんナリ(−−#)今度ちゃんとエロ書きます。

眠い。





























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