day'ss

独立した話で、他のとは繋がってるようで繋がっていません(^^;これも古いんだ……。
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セフレっていうんですかね?こー言うの。

ゴロリとベットに転がりながら寝返りを打つと、嫌でもすぐ横でラブっているカップルが目に入る。

嫌なら出て行けばいいのだが・・・・。

昨日の夜、三上先輩に誘われてそのまま泊まったはいいが、

せっかくの休みだと言うのに叩き起こされたのは朝の8時だった。

「おいっ。」

「おいっ!今日客くんだよ。」

「え?・・・ああ、お早うございます…。」

やっと起き上がってベットの上でボ〜っとしていた竹巳にボスっと服の塊が飛んで来た。

「早く着替えろっつーのっ。」

「?」

寒っ。な…何事?

言い終わらない内に窓を開け雑誌を積み重ね、取りあえずホコリと一緒にベット下へ押し込み……引き戸の横には

はあ!?掃除機〜〜??

世話しなく働く三上を見ながら、ベットの中との豹変振りに寝ぼけた頭でムッとしていた。

…自分から誘っておいて、何なんだよもうっ!

夕べのムードも何も無い。・・・というか、このあつかい…。

あの三上先輩が朝から部屋の掃除するなんて。

ややしわになった部屋着のトレーナーにわざとゆっくり腕を通しながらブすっとして話し掛けた。

「誰がくるんですか?」

「誰だっていんだよ。」

思ったとおりの答えが帰って来て、胸の中で溜め息を付いたが。

「俺、ここに居てもいいですか?」

三上の動きが止まった。

「ダメ。」

「だって、誠二達まだ部屋使ってるみたいだし…」

「行って追いだじゃいーだろ。」

「先輩じゃあるまいし……」

「いいから、でてけ。ここは俺の部屋」

「人の体使うだけ使っといて。」

「・・・・ああ?」

突然ごね出した竹巳にさすがの三上も眉をしかめる。

「…何拗ねてんだよ。」

取りあえず家具の隙間に入らなかったエロ本は机の椅子においてこちらへ来る。

わざと不愉快ですと顔に出していた竹巳が、近付いた気配に小さく焦って俯くのを見て。三上がふと笑った。

ぎしりとベットがなって彼の香りと重みが伝わって来る。目の前に先輩の顔。

うぜー時はうぜーけど今は可愛い。

「何?妬いてんの?」

「はい。」

「・・・・。」

「嘘ですけど。」

あ、鯖目。今凄い何こいつ(怒)って思ってるよ。こ−言う冗談通じないからな〜この人。案外ベターな恋愛好きなんだよね。

「え?」

こずかれる。と思った手は以外にも頬にまわった。

「ふ〜ん。じゃいてもいいけど、俺の邪魔すんなよ。何があってもぜってー黙ってろ。」

顎を取られキスをするみたいに至近距離で囁かれると今さら照れても無いのに頬が熱くなる。

そのデビルスマイル。

「できんの?」

「は、はい。」

とん、とおでこを小突くと含み笑いを残して離れて行った。

先輩の気配がすっと遠のいていく。

…やられた。この人判っててやってるんだから…俺も、判ってる癖に。

ああ、情けない。

ちょっと期待したのに…キスくらい。

「で、誰なんです?今日来るのって…。」

「いいこちゃん。」

「付き合ってるんですか?」

「別にぃー。」

……ふ〜ん。どう見ても態度からして部外者だよな。

「わざわざこんな所に(寮)に呼ばなくたっていいじゃないですか。」

面倒臭いなとずーずーしくも愚痴りながらジャージのズボンを探す。

ちらりと横目で三上先輩の様子を伺ったが、それ以上かまう気はねーよと言わんばかりに無表情だった。

今ので機嫌悪いだろうな・・・・。

普通だったらここで蹴り出されるだろうがそれをされないのは、少しは俺が三上先輩の特別に入ってるからだろうか……。

俺は貴方のなんだろう?

セフレ?

って言うのが丁度良いか。

ほとんど子飼い状態だけれど。

俺は貴方のこと好きだけど、貴方はそうでも無いみたい。

それでも黙って側に置いていてくれるのはカラダだけって訳では無さそうだと…。

俺はそれをこうゆー所で計っている。ムカつかしても。

何て、実は今考えてる場合では無かった。

正直言えば、頭がはっきりして来た頃からずっと焦ってる。

緊急事体発生。

三上先輩が、朝から部屋の掃除をする。しかも他人の為に。

今だかつて見た事無いんですけど。

「先輩、何でそこまですんですか−…先輩らしく無いですよ。」

「うるせーな、ヒマなら手伝え。」

ゲットする気だ。

まあ、この人が誰と付き合おうとおれたちの関係が変わる訳じゃ無いけどね。

嫉妬なんて冗談じゃない。女じゃあるまいし。

・・・しかし恋愛に男も女もあるのか?

「……好きな人なんですか?」

深く考えもせず口を突いた質問に、真顔で振り向いた先輩にドキッと心臓が締め上げられた。

うっそ……。

「テメ−ふざけんな。」

「は?」

「俺はあいつが大きれ−な・ん・だ・よ。」

いた、いたた。

じゃ、なんだよ。何なんですか、全くもう。

いいこちゃんって自分で言といて。



ケータイに呼び出されて、裏口へと向かえに行った三上先輩。

普通にくればいいのに。

誰なんだ?こそこそと……。


「よお……。」

「水野!?…ああ久しぶり。」

「ここ、お前の部屋?」

「や、今居るだけ」

おいおい、ホントにいい子ちゃんがきちゃったよ。

「先輩は?」

「さあ…先に来たから。」

ふ〜んと。顔見知りの癖に大した歓迎もせず、ベットに寝っ転がったままさっさとシカトに入った竹巳に竜也は困惑する。

ちらっと雑誌の影から覗けば、いかにもどうして良いか分からないと行った水野の顔がおかしくて……

「…そこらへん。座れば?」

「ああ、けど……」

そーいや、デカイ荷物だな……。

壊れ物でも入ってるかのように、箱を包んだ様な黒い袋を何やら大事に前に抱えている。

「取りあえず荷物おけば?」

「・・・そう、だな。」

そういってやっぱり慎重に水平を保ちながら畳みへと置く。

???。

「それ何?」

パタリと雑誌を倒して顔を出した竹巳に、竜也が苦笑いで口を開きかけた時。ちょうど三上が返って来た。

手にはコーラ3がつ。

「はいよ。」

と竹巳に放られ、もう一つは水野に。

彼は「どうも」といって受け取っていた。

三上はさっそうと竜也に近づくと、コーラを棚に置いて紙袋の中を覗き込んだ。

「生きてんの?」

「当たり前だろ。…今、寝てるみたいだから」

と手を出そうとした三上を制す。

そっと袋の中に手をつっこむと出て来たのは小型のペットポット。

パチンと両端のホックを外すと屋根が取れて、中から薄茶色の小さい固まりが覗いた。

犬!? 

子犬。

ギシリとベットから立つと竹巳も二人の間を覗き込む。

ああ、ゴールデンレトリバーの……そういや飼ってたっけ。

「ホームズの子供?」

「そう。家で2匹引き取ったから。」

かわいい。

「飼うんですか?」と先輩に言いかけて慌てて声を飲み込んだ。

……ちょーー嬉しそうな顔。

意地悪が、意地の悪さが顔から消えていた。…うっそ。

先輩こんなに犬好きだったけなあ…。

それを見る水野まで優しい顔。

信じられない事ばかり。

眠りこけている片手の平に納まりそうな小さな体を三上が2、3度軽く撫でると、ぴクリと動いて、黒い双眼が現れる。暫く寝ぼけ眼がきょとんと先輩を見ていたが、水野の姿を見付けると鼻を鳴らして軽くしっぽを振った。

それから先輩や俺の顔を見回すと子犬らしい眼光を輝かせ……わんっと一声鳴く前に水野が抱き上げた。成る程……顔中を舐め回されてながらも黙らせるのは流石だね。

「おい、んなもん舐めてっと虫歯になっちまうぞ、」

それを横から伸びた三上先輩の手が奪う。

「なんだよそれ。」と

苦笑いの水野がバトンタッチとでも言うように、手取りで持ち方を教えていた。

俺と来たら、犬を見て、先輩を見て、犬を見て、水野を見て、二人を見て。

二人の世界に入り込めず、ベットに戻って苦笑しながらコーラをあけた。

先輩子供みたい。

邪魔するなって……こ−言う意味かよ。

そして、今に至ってる。

お前らは新婚さんか?

先輩ってさー自分で水野の事気付いて無いだけなんじゃ……。

ズキリと胸の奥が痛んだ。

つまらない。

つまらない。

あんな事された事も無い。

レトリバーの貰い手探してるやつがいるって

「渋沢から聞いてよ。」

水野竜也の帰った後も三上先輩はすこぶる機嫌が良かった。

膝の上ではさっきの子犬が静かに寝息を立てている。

今日実家誰もいねーから一日ここに置いとく事にしたと、

「監督も休みだしな。」

「いい子ちゃんって子犬の事だったんですか?」

「当たり前−。…お前な、世の中間違えていい事と悪い事があんの知らねーの?」

「そーじゃありませんけど。」

・・・・・。

ああ、何か不毛。


誠二も出かけた事だし……

根岸先輩のとこでも行ってこよーかな。





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虫歯になるのは甘いものを食べた時…という説も。


























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