我欲
竜也が女の子になっています。御注意下さい。(−−;)ダメな時は逃げてねん;
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ガラリと開いたドアに、はっとした様に彼女が振り返る。

テストの近い教室は彼女を残してすでにもぬけの殻になって居た。

開いたドアから顔を出したのは1つ上の先輩で。

竜也の姿を見つけると一瞬驚きながらも、何だ…と破顔した。

「水野さん。まだ残ってたの?」

「ああ、須釜さん。」

入って来たのが誰だか判ると、無表情だった顔がふっと緩む。

「どうしたんですか?」

「うん、僕は風紀の見回り。最近カーテン開けないで帰るクラスが多くてね。君は?」

「文化祭の事でちょっと、最近忙しかったから仕事がたまってて。」

「マネージャーと両立は結構大変じゃ無い?」

「実は実行委員なんですよ。」苦笑する竜也。

「それは大変じゃない。確かケースケ君も同じだよね?」

「ええ、先輩のが大変そうですけど。」

「らしいね〜」

話ながら教室へ入って来ると、半分締まりかかってたカーテンを開けようと引きかけたところで、夕日が窓際の竜也を差すのを知って、元に戻す。

と、竜也の掛けている机の前までやって来て、椅子を引くとそこに座った。

軽い溜め息。

「須釜さんこそお疲れさま。」

「ありがとうv。そー言ってくれるのは水野さん位ですよ。」

おっとりとした口調でそう言いながらニコニコと竜也を眺める。

「何してるんですか?」

「班ごとの計簿付けてるんです。」

レシートの山を一枚一枚手繰りながら、メモってはノートに張り付けて行く地道な作業。

「このクラスは何やるの?」

「縁日ですよ。まあ…月並みですね。」

「楽しそうじゃない。」

だが、そう言う須釜の視線がさっきら自分に向けられっぱなしの事に竜也も気付いていた。

顔を上げても、ん?と言う感じで微笑む須釜の姿。

「どうかした?」

「いえ?」

丁寧な言の葉も、紳士的な態度もこの距離感もいつもと何の変わりも無かったが。

何かが…。

「やっぱり女の子はいいよね。」

「?」

校庭の方に視線を飛ばして居た彼が、何と無しに口にする。

「何言ってるんですか?」クスリと言葉の端に引っ掛けて返す。

「う〜ん。ちょっと頼みが有るんだけど。」

「何です?」

せっせと下を向きながら机の上で動かして居た手を止めて竜也が顔を上げる。

「変な風に誤解しないで欲しいんだけど…v」

「?なんですか、言ってくださ…・」

竜也が最後まで言い終わらない内に、須釜の手がポンっと軽く胸を覆った。

止まる竜也。だが危機感らしいものは何も感じる事なく、

驚き只一つで須釜を見上げれば、悪びれる様子もなく、

「あー結構有るんだね。うん。俺も手結構大きい方なんだけど。」

と笑って居た。

「須釜さん!?」

一瞬置いて、ぶすっとしながらやや赤らんだ竜也に「ごめんごめん。」といつもの口調。

「心配しなくても、僕、好きな人他に居ますから。」

そ−言う問題では無い。

「でもやっぱり、胸は無いより有るに越した事は無いなぁと思って。」

「・・・。」ああもう、この人は…。

微かな諦めの後。溜め息と供に再び机に視線を戻した。

「須釜さんがそんな事言うなんて、意外でしたよ。」

「やだな水野さん、男は皆んな好きですよ。」

「・・・・、」暫く黙った竜也の上目使いに須釜が気付いて…

「水野さん、聞いても良いんですよ。」

こらえ切れずにふっと笑った。

「好きな人って、…山口先輩の事ですか?」


すっと視線を上げた竜也の顔は、微かに頬が赤かったが、真面目そのものだった。

実行委員の帰り、忘れ物を取りに帰った昇降口で偶然見かけてしまった2人の…キスシーン。

「やっぱり見られちゃったんだ〜。」

「…すいません。」

「別に謝る事ないじゃないけど。」

「でも困ったな〜。」

そう言ながら自分を見てニコニコする須釜の顔を、やっと

この時になって怪訝な顔で竜也が見上げたのだった。


ぞっと…冷えた堅い空気が胸のウチに入り込んで行く。


「秘密は同等じゃ無いと面白く無いと思わない?」

思いません。といつもの竜也の様に睨みを利かせて席を立つ事は幾らでも出来たのに、

その穏やかな裏側に利かす鋭利な思索に既に飲まれていたのかも知れなかった。

考えなくても相手は竜也より一枚も二枚も上手。判っていたのに何故油断したのか…なんて、最もそんな事を考える余裕が出来たのはもっと後の事で。

気付いた時は自らの上に落ちて来た彼を呆然と受け入れて居た。



重なる唇。

「・…・っ、…」

とっさに席を立とうとしたのが不味かったのか、中腰のまま差し込まれた舌に呼吸を取られて動けなくなって居た。

音を立ててシャーペンが床へと滑り落ちた。

逃れようと首を振る後頭部をしっかり手の平で包み込むと、歯列を辿り、その奥の粘膜へと順に舌で形をなぞって行く。

顎を包んでいた彼の長く大きな片方の手がワイシャツの上を伝い、腰へと降りて来る。

「・・・っ…」

なだらかな胸の丘陵を包む様に通りすぎると声がもれ、

そのままわき腹を通り滑る様に腰のラインを下って来たたおやかな手の平が、股の付け根の部分で止まると、スカートの上からぐっと握る様に力を入れた。

「…ん!っ…・・!」

「ああっ!?」

ぱっと離れた唇、と思った時には、ガしゃんと耳に付く音と共に背中を打ち付ける軽い衝撃。

視界には天井が写っていた。

!?

後ろの席の机へと仰向けに倒されて。

「ちょっ・・スガマ・さん!?」

相変わらず口元は笑んだまま。

竜也を見下ろしながら自分の腰の横にたれている両足をひょいとかかげ上げ、身体と同じ場所へと収めようとする。

「ちょっと…まっ・・あっ。」

狭い長方形の上に自分の身体が全部乗る訳も無く、きつい体勢で腹は折れるし、頭は机からはみだしてガクンと首が仰け反る。

落ちる!

恐怖に鳥肌がたった。

起き上がろうと肘を立てればズルっと机の端から落っこちて…

焦る竜也とは対象に須釜にはほんの焦りも無い。もがく竜也も物ともせずに一つ一つの動作を丁寧にこなしていった。

それを可能にするのは絶対的な力の差。

「冗談!っ…ちょっと、っ!!」

「御人形さんみたいだね。」

一瞬…逆らうのを辞めて思わず須釜の顔を仰ぎ見た竜也に微笑む。

目が離せなかった。

この人の言う事はいつだって、清潔で黎明で適格で…正しかった…はずなのに…

変わらないその穏やかな瞳に寒気さえ覚えた。



「あ・・」

下股が空気に触れた感触に仰け反っていた首を持ち上げて見れば…

スルスルと自分の足から抜かれて行く下着が視界の端に入る。

「時間ないから…許してね。」

言葉の終らない内に布の隙間から入り込んだ指が、突然竜也の中心に入り込んだのだ。

息を飲む。

「・・っ…・いっ・…」

奥へ進むたびに歪められる顔、

「も…いい加減に…ろ!」

語気を強めたのはそこから漏れ始めたちゃぷちゃぷと言う音に耐えかねて。

「でも、折角濡れて来たのに。」

抜かれて行く指の隙間から入り込む冷たい空気にぞくりと震えが込み上げた。

素直に指を引いたスガマに、すっかりもう終にしたと決め込んだ竜也がそのまま起き上がろうとした瞬間。

すとんっと腰ごと落下して…目の前には須釜寿樹の顔。

そして彼の膝の上に両足でまたいでぺタンと座っている自分。

「なっ…ちょっ。」

再び立とうとする前にひょいっと腰を持ち上げられて、一歩前へ…

つい下を見たその時、スカートの裾の中へ入って行く勃ち上がった須釜のそれを目にして、

思わず息を詰めた。

こんなものが入るのか?と言う程の・・・・・。

「やだなあ水野さん。そんなに珍しいものでも無いでしょう?」

苦笑まじりにそう言うと、見る見る内に赤く染まって行く竜也の顔を面白そうに見ていた。

いや、コレは反則だ。なんて…思いながら、微かな期待を抱く自分をなんとか打ち砕て…

「あっ!」

ーーーーーーっ

声も出なかった。

ゆっくりと持ち上げた腰を調節しながら須釜が竜也を自分の上に落として行く。

見開いたままの瞳からは意識しない大粒の涙が後から後から流れ落ちて、胸元を濡らしていった。

脳天を貫きそうな痛みを耐える為に歪んだ顔を見ながら、そっと唇を寄せると。額から眉間を通って顎まで滑らす。

なだらかな白い肌からは甘い香がした。

「んっ…ああぁ・・っあーーー!」

グンと質量を増したと同時に、一気に腰を落とされ、悲鳴をあげた。

後ろの机に付いて、自分の体重を支えていた手はいつの間にか彼の首へと周り、

仰け反った喉元に吸い付く須釜の頭をどかしたいのか、寄せたいのかも判らず、ただ縋り付く。

「…だからちゃんと濡らしときたかったんだけどね〜」

息を細かに吸い込みながら、薄く目を開けた竜也に「ごめんね〜v」と苦笑いする。


打ち込まれる。

一刀一刀が鉛の様に重かった。

「ぅ・・ぁっ…あっつ・・…ぁ・ぁ・・・」

気付けば一糸乱さぬ上半身を自ら須釜にすり寄せるカッコになっていたが、

彼は決してそれを乱そうとはせず、そんな竜也の様子を見ながら、あわせる様に只服の上から緩くその膨らみをまさぐっていた。

ゆっくりと、だが確実に深く竜也を侵食して行く。

丁寧に彼女が強く反を返す場所だけを攻めて、腕の中で自分に翻弄される華奢な身体を満足そうに眺めていた。

「!…な…にを・…」

突然感じた、後ろの痛みに竜也が我に還れば、

もう一つの後ろににつき刺さった…指の感触。

「ちょっ…やだ・・やめ…っ・」

「こっちは初めて?」

驚いた竜也が、急いで須釜の腕を抜こうと片腕をスカートの中にもぐらした瞬間。

思いも寄らぬ衝撃に仰け反った自分の身体にさらに驚く。

ごんっと頭が後ろの机に付く前に、腰を揺らしていた須釜の手に救出されるが…。

「ぁ・…」

見開いた瞳、

「大丈夫?」

と手前に戻された竜也は青い顔を須釜に向けると、恐る恐る視線を下げて、

スカートの前をたくしあげようとしている手が震えていた。

その上から、そっと須釜の手が落ちる。

「大丈夫ですよ。」

「えっ?…」

「ただの潮吹きだから。」

「?」

「こ−言うの初めてなんだ?」

戸惑いながらも頷く竜也に、

「やっぱり水野さんはいいね…」

と笑いまじに言ってから、後ろに刺していた指を根元まで突っ込んだ。

「ーーーーーーーーっく!」

「…っめ・・きたな・・」

「そっちじゃ無くてこっち、」

と中に入ってる自分の方へと彼女を誘い。そして、

再び竜也を抱き上げると後ろの今度は机に寝かせ、再びその上に覆いかぶさった。







「立てる?」

「はい。」

「大丈夫?1人で帰れる?」

「はい。」

椅子の上に足を上げてペタンと座ったまま後ろの机に寝そべって、上の空で答える竜也を、

「全然大丈夫じゃないじゃな〜い」

と苦笑しながら見る須釜だったが、

「じゃあ、僕ちょっと行かなきゃ行けないんだけど、後で迎えよこしますから。」

と本当に焦っているらしく、静かに戸を閉めると足早に出て行った。

コロンと頭を横に向ければ、沈みかけの大きな夕日が家々の向こうに沈んで行く所で。

ここがどこだかすっかり判らなくなるような、そんな感覚をどこか遠くで感じながら。

どのくらい立ったのか。

須釜の言葉を当てにしていた訳じゃ無いが、ぬけないショックから暫くそうしていた竜也の耳に聞き馴れた声が飛び込んで来た。

廊下で、何やら悪態を付く誰かが勢い良くクラスの戸を開けた。

驚いてとっさに身を起こせば、

「…三上・・。」

竜也を見つけた瞬間その顔がやや曇る。

「まさか、腰が抜けて居残ってた女子ってテメーかよ。」

…スガマ…さん!?

と思いつつ。

「・・・・。」

確かにはずれてはいなかった。居なかったが…。

眉を顰めながらむっと視線をそらす竜也の側へ来ると、

勝手に机からサブバックを取り出して中から出したペットボトルを差し出して来て。

竜也がそれを黙って受け取ると、亮もその横に座った。2人して黒板を見たまま切り出す。

「お前あいつに喋った?」

「まさか。」

「じゃ、何で知ってんの?」

「さあ…。」

そう言った竜也に顔を向けるたと思ったら、すっと手が伸びて来て。

目尻に残る涙の後を拭って行った。

「帰ろーぜ。」

少し驚いた顔で振り向いた竜也が小さく微笑むと、一つうな付いた。


帰りがけに珍しく校内で肩を組んで来た彼を竜也が振り向く。

「妬いてる?」

「別に。…キスした?」

「ちょっとね。」

「殺されてーの?」

さらに珍しく、どこまでも素直な態度につい笑いが漏れると、三上に舌打ちされたが。

通り過ぎた保健室のプレートを彼がちらっと見てい居たのに気付いて。

いうか、言うまいか、(キャラ的に…)でも・・と迷ってから

「・・・寄って行く?」

前を向きながらそう言った竜也の顔を亮がとっさに振り向き

「ああん?」と

「俺は品行良性だからんなトコなんかでやったりしねーの。」

と嫌味たらたらに言われて。

どこが?と思いつつ

「・・・・。」

それでも、本当に珍しく帰路中繋いでいた手は、ずっと暖かかった。




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裏の書き損じを手直しして表に出してみました。
























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