エグザイル・グリザイユ
渋水、三水。裏要素が有ります、苦手な方は…以下省略…
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「水野、来てたのか。」

「どうも、お邪魔してます。」

戸を開けると、こちらに背中を向けて座っていた彼人が振り返る。

部屋の奥でベットの縁に腰かけていた三上も自分に顔をあげていた。

「あーわりィ部屋借りてっから」

「ああ、構わないよ、」

すぐに出るからと、場所を空けようとした水野を制すと、机の上の本とケータイを手にして

「じゃあ、」

と静かに引き戸を閉めた。

「おーじゃな」引き際に聞こえる三上の声、自分に軽い会釈を返した竜也に微笑んでから隙間を埋めた。



「渋沢先輩、足、もういいのか?」

出ていった戸口の方へ視線を馳せながらふとそう漏らした竜也へと視線を向ける。

韓国戦を降番になった、その右足の怪我。

「ん?ああ、もう慣れてんじゃねぇ?」

「あの怪我森で?」

「昔な、」

口を付けていたマグカップをテーブルに戻すと、べっトから一段降りて、

竜也と同じ視線の高さへと腰を降ろす。

「気になんの?」

そう言って自分へとしたたかな笑みを向けた三上に気付いて、竜也もちょっと眉をあげる。

「…まーね、」

その返事と一緒に、ちゅっと軽い音が空気に交じった。

「!」

触れるだけで離れて行く。軽いキス。

そしてそれに真っ赤になって、無言のまま抗議の眼差しを三上に向ける竜也を見ながら、

くっくと笑っていた。



同室だった三上と竜也が付き合い初めて…数カ月。

相変わらず、表じゃ仲が良いとは言えない二人の関係を知っているのは

今の所、この狭い寮でも克朗位で。

時々こんな風な場面に遭遇しながら、閉めた戸に寄り掛かって軽く溜め息を付けば、

後ろから響く軽い笑い声。



・・・・・。

水野…か。

少なからず自分が竜也に信用されている自信はあったと思う、

向けられる誰のものとも違う、その敬意の眼差しが…好きだった。

でもそれが、

それ以上のものになる前に、

自分を通り越して、まさか後ろに居たはずの三上に先を越されるなんて。

誰が思うだろう…

今にして思えばそれが残念でならなかった。


全く、三上なんかの何処が良いのか…。決して言葉にする事は無い言葉。

そして同時に軽い自嘲を飲込みんだ。



昔からそうだった。

人は、こんな自分の一体何処が良いと言うのか。

敬意、尊敬、畏怖、安緒、

その中一体幾人が本当の自分を見抜いていると言うのだろう…

本当は時々何もかも消えてしまえとさえ思えるそれは。

だが確かに自らの特権に変わりは無く

今もこうしてその力の上に自分は君臨しているのだ。



三上が水野にべったりなのは誰が見ても明らかだったけど。

水野もまたそれなりに彼を思っている事を自分は良く知っていた。


いつだって欲しい物が無い訳じゃ無かった、

くれると言うなら迷わず手に入れたけど、人から剥ぎ取ろうと思う程の物が無かっただけで。

それ以前に、そんな面倒を起こさずとも、欲しい物はいつだって向こうからやって来たのだ。


だからこれが、

浮気だとか裏切りだとか、並べてみても

なんだかしっくりこないまま。

今だ答えも知らぬまま、ただこうして繰り返される行為であると言う事しか、

克朗にももう説明が付かなかったのかも知れない。









寝そべった自分の上に、馬乗りになった細い躰。

三上の留守に呼びつけた彼と、今日も会う。

腰を掴んで揺さぶれば、繋がった箇所からいくらでも濡れた音が漏れて行った。

「〜〜…・っ・・…」

「水野…もう少し前へ」

自分の胸に手を付かせながら、吐息を漏らして飲込みかけた残りのそれをゆっくりと飲み込ませて行く。

「…・・

ヌルっと言う感触と共に全部を納め終えたのを知ると、彼がほっと息を付く前に

下から突き上げ始めた。

甘さはいらない。何故ならコレは…

「ぁ…・っ…・かつ…」

かつろうさん。

それでももれる細い嗚咽は切なくて。

胸を掻きむしって行く。

「・・っ…・くっ…・」

初めは痛がって、揺すられる度に漏れていたなき声が、やがて甘い物へと変わって行き。

同じ様に速度も増して行く。

まるで人形の様にしなやかに仰け反る腰を掴みながら、自分の上へと上下させる。

三上の付けたその跡に、再び自らの刻印を刻んで行く様に、

浅く深く幾度も、彼の内膣に自らの肉隗を打ち付けて行った。

「ぁぁ…・あっ…ぁ・も・・さ・・」

「ああ、わかってる。」

眉を寄せて訴える、涙で濡れた顔。

それを合図に、ピンと腫れて立上がった竜也を根元からきゅっと掴み

手前へと引き抜いて

んっ----!」

あっさりと自らの手の中へと遂げさせた。

そして、力がぬけてストンと自らの上に落ちて来た身体と、更に深く繋がる。

荒い息を付く身体が、それでも胸を仰け反らせて天を仰ぐ。

「みずの…」

名を呼べば、

涙で濡れた顔が自分を睦むような瞳で自分を見つめ

まだ竜也の中で遂げずに力を保っていた自分がドクリと脈を打った。

「みずの…」

「欲しいか?」

聞くと。

一瞬だけ揺れた瞳に…

だが

それが自分に逆らえない事を知って、満足の笑みを押し隠す。

コレが、あの鬼監督桐原の寵児。

まったく、貴方達親子は、どうしてこんなに自分を信じてしまうのか、

ゆっくりと頷くのを見届けてから、

今度は半身だけ起き上がって、その身体を抱き寄せると再びその腰を揺すり始めた。

すぐ耳もとで漏れる声に。

否応無しに限界が近付く。







「よ〜」

っとマフラー姿で帰って来た三上を出迎えたのは

いつもの様に、こたつに入ってたわい無い会話を交わす二人。

「ああ、お帰り。」

「オカエリ。」

「タダイマ」

相変わらず、三上を見てもめったにニコリとは素直に笑わない竜也に愚痴りながらも

嬉しそうにその頭をくしゃりとなでていた。


それを見ても罪悪感はない。

それは多分、水野が三上と別れないであろう事がはっきりとしていたから。


「あ−お前、笠井がよ、何か探してたぜ。」

「あ、そうだった。」

用事を思い出して「じゃあ、」と水野に軽い挨拶を交わして部屋を出てた。

そこで、

忘れ物に気付いて戻った部屋の前。

それを聞いたのは、偶然だった。




「へー…で、今日はどんなセックスしたの?」

三上の声。

竜也の声は聞こえて来なかった。

だが、次に起こった微かな笑い声。それから彼の首にまき付いて行く竜也の腕が見えていた。



ふと沸き上がる。笑い。

それで良い…

ああ、お前も俺も決して弱く無く

そして強くも無い。

それで良い。その位で無くては困る。

お前が親友であったことを俺は誇ろう…。

いつかお前が、本当の俺を俺に叩き付ける日が来る事を、楽しみにしているよ…






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出来がイマイチ;







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