ハート
出したいのが終らないのでちょっとつなぎに…。ボツった元★inside…。
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たまたま立ち寄った本屋での事。何となく足を進めたスポーツ誌欄。目新しい物は特に無いと見定めながら棚の切れ目まで歩いた時、
向こう側から曲ってきた来た女連れとぶつかりそうになって、顔を上げた。
「あ、すいま…」
そう言いかけた奴の顔が俺を見るなりみるみる曇って。
「どーも。」
「ああ、ど〜も。」
隣に居るデカ目のおかっぱ頭をちらっと見れば、奴はあからさまに嫌な顔を浮かべながら、
「行こう…」
と一言小さく女に呟くと、まるで俺と女の間を割る様にしてすっと横を通り過ぎて行った。
せかせかと去って行く背中を見ながら「はっ、」と鼻で笑う。
…んなもん誰も興味ねんだよ。
「水野の知合い?」「まーね。」
小声で話してるつもりなのか、この程度の距離じゃトーンの高い女の声はここまではっきり聞こえて来る。
「どっかで見た気がするんだけど…」
と御丁寧にちらっと俺を振り返るのを、見たくも無い本を開きながら俺は気付かぬ振り。
「…森のやつだよ。」
「!あ、そーか。あの人確か10番の…」
そ−言えば、何処かで見た様な見て無いようなおかっぱ…。まあどーでもいいけど。
何て思いながら、こんな時暗記力の良さが災いして、考える前に「ああ、あそこのマネージャーね。」と答えが出てしまう。
「いーから、行くぞ。」
「どーかしたの?」
足早に言葉を切る水野を追いながらもう一度俺を振り向くと2人を見比べ、見えない接触点にか不思議な顔をしながら最後は黙って奴に付いて行った。
へーあれがあいつの女?ねぇ…。相変わらず坊ちゃん坊ちゃんしやがって。位に思いながら。別に何と無しに見ていたその時、
参考書の棚ヘ向かって後ろを向いて居た水野が、運悪く、否良く、俺を振り向いたのを見て。
ふっと意味真に笑みを返すと案の定、何を思ったのか奴は固まって居た。
本屋から出てただ道を歩く。何となくやるせなさを感じるのは気のせいだと思いたい。
雨の振りそうな重い灰色、日の居場所の雲だけが白く発光して居た。
つい、先月だって。毎週末の様に寮に押し掛けちゃ、朝っぱらから人の部屋で渋沢とお勉強会開いてたのは何所のどいつだったっけなあ〜…。
それは渋沢とバカ代が付き合い出し手からぴたりと止んだきりだった。…ま、んなもんだよなテメーは所詮。
傷付く事に自分から飛び込んで行ったりする程、無謀じゃねーよな。いつだって何だってポストは誰かに用意されて来た坊ちゃんなんだし。
とてつもなくやるせなさを感じるのは気のせいだと思いたかった。
と、曲り角を曲がろうとしたその時、
後ろから背中のシャツをぐっと掴まれて、思わずぐっと前につんのめる。ああん?
「!?」
追って来たのはもちろん。
水野竜也。
振り向きザマに見えた顔は相変わらず大きなタレ目で。
息を切らしながら、凄い顔で俺を見て居た。
「何か用?」
「…違うから。」
「何が?女?」
「そう。…別に付き合ってねーから」
拗ねた様な顔で俯いて。ぼそりと言う。
「…ああ。そ?…」
「・・・ああ。」
「わざわざどーも」
無表情でそれだけ返せば、躊躇しながらシャツを握った指が離れて行く。
むしろ腹が立った。
何でテメーはいつもそうお決まりなんだか。お子様か!泣きそうな顔が今はむしろ忌ま忌ましかった。(…自分の為では無いからか・・?
大きな瞳が視線を下げながら傷付いたと告げている。
つーか、だから何なの?
不愉快。それでもそれを気付かせる訳には行かず、
「…ああ、渋沢には言わね−でやっから安心したら?」
途端、泣きそうと思ってた顔が眉間に眉を寄せる。
「渋沢さん?」
「は?」
立ち止まる二人。
顔をあわせれば、何に気付いたのか水野の顔が「あっ」となって急に赤面したのだ…。
「・・・・。」
一瞬あっけに取られかけながら、すぐに元に戻るとその顔をわざと覗き込んだ。「ふ〜〜ん。じゃあ、毎週毎週誰に会いに来てたの?」
「誰って別に。俺はただ…」
「ただの用事だけど。」それは本当、だが、誰にと聞かれれば…
にやにやと意地悪く迫って来る三上に耐え切れず、「何だよっ…」と吠えかけて。
だがくっと笑うと、そのまま真顔に戻った三上に気付いて竜也も一瞬引いて。
「誰?」
真っ向から聞かれる。
「ア…」ンタだよ。と言いかけた瞬間、
「タツボンやないかっ」
角の後ろから、恐らく竜也の後ろから来た彼には三上の事は見えて無かったのか、その姿に気付いた途端に、その目から笑みが消えるのが分かった。
「シゲ…」「よっ!」と笑顔で近付くと。ポンと竜也に肩組を組み。
「どないしたん?まさか喝上げされとるん?」
と小声でふざける。
ふざけながら、あからさまに三上を意識して竜也の耳もとに唇を持って行くような仕草。
おいおいおい。なーんで俺が…。今告られてんのはこっちなんすけど。
「は?ざけんな」
つい口から出た声に、一気に張り詰める現場。
何が起こってるか、と言うより肌にささる空気に竜也が怪訝な顔で二人を見上げながら、
「シゲ…ちょっと話あるから。」
「タツボン、こないのが好きなん?どこがええん?」
視線は三上のまま。完全挑発。
フンと笑ったシゲに、眉を顰めて事体を見て居た三上がついにぷちっと…
「ああん?」
それはむしろ、「つーか、マジなんで俺が?こいつに?」そのものの返事に過ぎなかったが、
同じ様にその金パを見返しながら、はんっと笑って竜也の腕を引っ張るが、…
引っ張り返される。
ああアーーーーー−!?
自分を火種に自分とは関係ない所で勝手に始まった諍いに、暫く唖然として居た竜也だったが、
次にシゲが口を開く前にとうとう声を荒げた。
「シゲっ!!」
少しだけ反応したシゲがちらっと視線を写すのを見て、
「悪いけど…」
そう静かに言った。
「タツボン…」
それでも尚、それさえ空気を二人の世界に持ってこうとするシゲの胸板を軽く押し返す。
頭一個分下の至近距離で本当に困った様な顔を向ける竜也に、少しだけ苦笑して。
「ほな、しゃーないなぁ。」と腕をどけると、俯いた竜也の頭をこんと抱き寄せてから。
「又今夜〜v」
とばっちり視線は三上にくれながら、カラッとした笑顔で去って行った。
「おい。今、通り魔が出ちまったんだけど〜〜?」歪んだデビルスマイルのまま怒りの納まらない三上を前に後ろ汗でうなだれる竜也。
「・・・・。」ああ…。
そうしながら、あんまりにもがんがんにシゲを睨む三上につられて、ちょっとだけシゲを振り返ろうとした瞬間。
ぐっと抱き寄せられて、
気付いた時には三上の肩口に顔を埋めて居た。
背中には、彼の手の体温。
かっと上がる体温が思考能力を奪って行って。そのまま背中に回した手で背中に力を込めた。
振り返れば、寄り添う二人。ちっと軽く舌打ち。
多分、あの黒毛がわざとやってるんやろなと分かりつつも。
歪む心。
『ったくあのボンは〜。全部アンタの為やで。』わかっとるんか…?
そして、向こうで待ち合わせたナオキを、後ろからラリアットで迎えに行くシゲだった。
「シゲさんが関西選抜に!!?何言ってんの!?」「裏切り者!」
「・・・・。」
「なー藤村はよ転校してこん?」
「何なら、僕ん家住んでもええんよv」
「や・・・俺、寺継ぐかも…。」
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お粗末まさです(−−。。)
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