経血パラフェリア
♀水野になっています、苦手な方は御注意下さい;日の名残の設定を使いました。
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ゴロンと寝そべった台の上の景色は

相変わらずの薄汚れた黄色い天上。

ただ自分の上に居る男だけがいつもとはほんの少し違うだけ…


月に一度のあの月のもの。

だから今日は月に一度の逢瀬の日。


湯の落ちた浴槽の上は蓋をしてもやっぱりまだ湿っぽい。

誰も居なくなった小浴場のタイルには、

布ズレと微かな吐息だけが響いて居た。



「先輩も…なんて、意外でしたよ…・」


仰向けに寝かされて、二つに折られた身体を

なすがままに差し出しながら

何所を見てるとも知れない無甘味な顔でそう言った竜也を。

覗き込んだ吐息は小さく笑っていた。


「そうか?…」


持ち上げた股の間を下着の上から指で軽くなぞれば、両の足の付け根が小さく震えた。

「この方がいっそ安全だろうと思ってな…」

と苦笑する口調はいつもと何ら変わらない。

「好きなんですか?…」生…

「君が良いと言うならな…」

言いながらいつのまにか尻の下へと滑り込んだ手が

スルリと下着を足の付け根まで捲り上げれば

微かに息を飲む竜也が強張って居た。


露になったそこに視線を感じて否応無しに襲って来る差恥に目をつぶる。

そして一言

「…どうぞ…」と…

強いられた訳でも無ければ、本音でも無かったけど

馴れた手付きがぐっと肉の中へ埋まる感触

やがて紐を探る当てた指が、ゆっくりとそれを引き抜いて行った。


ヌっと自分から抜けて行く筒の感触に、それがなんだか知っていても

眉を歪めてしまうのは、

何度見ても、自分の物とは思いたくも無い

経血への拒絶。

なのに

同時に沸き上がる違う種類の身震い。

むっと香って来た血の匂いにほんの一瞬呼吸を止める。


「ぁっ…」


小さく上がる声の隙間を縫って付け根から流れて来たのは

一筋の赤…

見ていたく無くて視線を反らした瞬間

タンポンの変わりに差し込まれた指の圧迫に

…」

小さく漏れた声にさらにずっと奥まで差し入れられた指に

思わず仰け反った背中、

眉を寄せて自分を見上げて来る竜也にそれでも彼は…平然と微笑んだだけだった。


「渋沢…先輩?…」

差し込んだ指を掻き回される度にむせ返るように漂う匂い、鉄のような甘いような、独特の…

「もう…」

見ていられなってかかげられた下股に手の平を伸ばすが、

突然胸へと伸びて来た手にそれを阻まれる。


「何故、男子部へ…?」

「?」


突然降って来た問いと同時に、体育着の中へと忍び込んだ片手に

強くその乳房を掴み上げられて。

「っ…・」

と見上げれば

思いも寄らぬ重厚な黙圧。


「…!?」

何故と…聞き返しても、

返答などある訳も無く。答えの変わりに

突然進められた身体にもう、それ所では無くなって居た。


「あ…・っ・……たぁ…・ぁぁ…」


とても血液だけでは補えない

その摩擦に、身体が裂けて行く激痛が走って

のた打とうとする身体は強烈な腕力に押さえ込まれ、

ただひたすら奥まで貫かれるままになっているしか無かった。

お前は女だと

下される無言の蹄鉄。


それでも、嗚咽の中に微かに甘い声が混じりはじめた瞬間

恐ろしい圧迫に、瞳をあければ

目の前には

自分の腹。

「!!?・・…」

これ以上ない位深い内腑に感じる異物感と、真っ赤に染まった自分の下半身に

思わず上げそうになった悲鳴をあわてて飲込んだ。

そして、まるで自分に見せつけるかの様にゆっくりと抜けて行ったそれの後には

その白い体液が、赤く染まった入り口の中へと納まって居た。

確かめるかの様に2度そこをなぞった指が細い糸を引きながら、離れて行く…


それを微動だにせずに見つめて居た竜也を、

上から克朗が静かに見て居た。


そして再びゆっくりと彼が中へと押し入ったのと

竜也が瞳を閉じたのは同時だった。






甦っていたのは、多分あの日の事…


いつの頃からか

こうして自分に善意や悪意を向ける男達の口を塞いで来たのは。

男として、ここへ残る為に。

名門、武蔵森学園。

疑問等持たなかった。否、自分にハンデがある事位、最初から分かって居たから…

男になりたかったわけじゃない。元々自分は男だと信じていたのだから…

そして、それを後押しする才能が、

もう後には戻れない所まで、彼を追い上げてしまっていたのだった。



「テメーがここに居るだけでな、無実の悪者が増えて行くんだよ。」

初対面さながらで、突然自分を蔑んだそいつの名は三上と言った。

無礼な奴だと思う反面…それは、正しかった。

自分が男だろうが、

女だろうが

微妙な存在である事は変わらなかったから。


何も知らないハズの(まだ知らなかった)彼の一言が耳の奥に残って居た。


あんなに嫌いな奴だったのに、

ただ会わない事が

なぜこんなに辛いのか



どうして自分はいつも後になってから気付いてばかり居るのだろう。




「三上に…、これ以上近付かないでくれないか…」

それを

告げに来たのは克朗だった。

それまでずっと、竜也に気付きながら遠くから黙認して居た彼が

始めて、自分の前へ現れた瞬間だった。


「渋沢先輩?」

「本当は、あいつは…」

テストも無しに1群控えに決まった降格。

見た目は平然としてるけど…

成績はがた落ち。夜も眠れて無いみたいだし、このままじゃ部の方も…

それ以上続く言葉は聞きたく無かった。


嫌味に付き合わされつつ、

気付けば一番近くに居たのは彼だったから。

何だかんだ言いながら、結局一番自分の世話を焼くはめになって居たお人好し…

いじわるな癖に…情は熱くて…


損な役回り…



「良いですよ。」

考えるより先に言葉が出て居た。

本当に頭に来て居たのはどちらに対してだったのか

もう忘れてしまったけど。

近付いてはいけなかったのを一番知って居たのは自分だったのだから。


今憎む対象がいなくなったらあいつはダメになる…

生温い馴れ合いなんかで

諦めさせては、いけないのだ…


「できる限りの事は、俺が三上の分をフォーローに回るから、姑くは…」

すまいないな…

と伸ばされた手を取ったのは

確かに自分だったのに


自分だったのに




それから、苦労せずとも、態度を変えた自分に

あいつの方から近付かなくなって行った。

側に居たのが渋沢だったから、それは余計だったのかも知れない


別に付き合ってた訳でも

好きだった訳でも…

そんな事を言った事等一度だって

ないから…








あまりのだるさにとても眠る気にはなれず

夜風に当たりながら、暫くテラスに座り込んで居た。

月経と言えば

あいつもえげつなかったと

ふとおもいだして、苦笑い…

初潮で苦しんでる自分の横で

当たるの当たらないの、中◯しがどうのほざいていたあいつに

「できる時は出来るんだぞ!」

と叫んだ自分に、本気で唖然を食らって居たあいつの顔を今でも思い出せる…


何かって言うと、あいつの顔が思い出に附随してしまうから

何も思い出さないのが一番だと思いながら…


いつの間にか鼻筋を伝って落ちて行った水滴を慌てて指で拭った

その時

後ろからこんっとこずかれて


まあ、誰かなんて見なくても分かってはいたけど

振り向けば

「三上…」

ちらっと後ろを確認しながら

隣へと来て居た。


「何か?」

「別に…」

「じゃあ来るなよ」…と言い終わる前に頬を抓られて。

指で「寄れ」と言われ近付けば


重なって

離れて行くぬくもり


「今日って何?腹イタ?」

「関係ないだろ…」

拭いながらそっぽを向くも頬が熱くなるのは止められず。


「ふ〜〜ん」

と、隣でニヤ付く彼から壁一個距離を置くが…

そうも行かず、すっかり捕らえられてしまった四方…

だが触れそうな距離で見つめたまま

彼が竜也に触れる事は無かった。


例えどんなにこの距離を縮めても


お前の中に居んのはあいつ(渋沢)なんだと言う事位…

判っていたから。


不安げに見上げて来る大きな双眼にくっと小さく自嘲を漏らしたまま

彼はそこを後にした。


立上がる冷たい空気が竜也の頬を掠って行く。

何も言えず、ただその背中を消えた窓を暫く眺めて居た。

そして静かに両の手で顔を覆ったまま、彼が暫く部屋に戻る事は無かった。






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経血を扱う意味も竜也が女じゃ無きゃいけない意味ももありませんでした…
ホントに私なに書いてんだろうと…つくづく思う今日この頃…(--#

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