デビル・ダイ
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「何で、お前がここにいんだよ。」
「別に。」
「まーまーいーじゃないっすか三上先輩、俺の友達いじめないで下さいよー!」
「は?ざけんな。」
顔をあわせれば毎度毎度繰返されて来たささやかな悶着。戸を開けた瞬間、彼の部屋で寝転びながらマンガを読んでいた三上は。
その姿を見るが否や顔を歪めると、身を起し、その手に単行本を持ったまま
わざと顔をあわせない様にしながら竜也の横をすっと通り抜けて行くのだった。
その様子をあれよあれよと見ていた笠井が、
「あ、先輩。」
と残念そうな声で呼び掛けると、やや攻めるような視線で竜也を一瞥してから同じ様に後を追うのだった。
それを片眉も動かさずツンとした態度で見下す竜也。
それもこれも…真横に居る藤代は気付かない程の一瞬の出来事。
「あー、気にすんなって。ま、そこら辺座れよ。今何か…つってもポカリしかねーけど。持ってくっから。」
「ああ、悪いな。」
明るい笑顔が出て行った先を見ながら、座る事も出来ない竜也の頬を汗が伝って行った。力を抜けば崩れ落ちそうな身体。
「おーい、水野。」「藤代?」
数分前、ガードレールの向こうから手を振っていた彼にここへ連れて来られたのは、偶然か、必然か。
「今帰りー、」「ああ、」
「へー図書館か、」
「まーね。」
竜也のもって居たハードブックにちらりと目を落とすと、ニコニコと笑う。別段変わった様子はない彼。
「こっちもやっと夏休み入ってさー。練習はいんだけど。うち補習とかムダに多くってさー…」
「…お前のだろ?」
「なっ、失礼な全員参加の方だって!…そっちは来週から。」
てコトは…呼ばれたんだな…と思うも口には出さず、
短い休みを子供の顔で喜ぶ藤代と暫く歩いた。
誘導された訳じゃない、小さく十字架のついた白い校舎の前へ辿り着いたのは順路の一部だったから、
「なーちっとよってかねーv暑いし。」
「…そーだな。」
あまり好きな場所では無いに違わなかったが、今さら、親父どーこー引きずるものも対して無く。
俺はあっさり誘いに乗る。
その日は本当に暑かった。
「三上先輩。」「あんだよ。」
管理設定の遊覧室のクーラーは、28度から下がらない。
南向きの窓がついたここじゃカーテンを閉めても到底冷却が追い付くものじゃ無かったが、渋沢が帰還している上に、エアコンの壊れた彼の部屋よりは幾らかマシだったのだろう。
「水野帰るそうですから、部屋戻りませんか。」
精一杯気を使ってる感丸出しの猫目が頬杖を付きながら見上げて来る。
「は?何それ、」
「…だから」
「聞こえねー。」
「ここ、涼しく無いし」
「っせーな…。」
「そんなに嫌いです?」
「・・・。」
「何も先輩がこんな所に居なくたって、追い出せば…」
「っせんだよっ」
「!!っ・・・す、すいませんっ…」
声を荒げて、腹立ち紛れに投げたマガジンが笠井の胸にあたって落ちる。
驚いて一瞬大きく見開かれ為が、強張ったまま亮を見ていた。
普段、否、今までだって。
こんな事で癇癪を起した事なんて無い彼に2倍驚く笠井の顏。
「俺はここにいてーから。いいの。」
と言って繕うが、「そーですね。」と返事に腫れ物に触る様な態度が混ざるのは仕方なかった。
落ちた雑誌を拾ってテーブルの上に置くと、
視線を下げて、この事体にどう対処しようか戸惑う仕草が…可愛いく思えて。
深く座って居た椅子から身を起すと、彼の上へと乗り出して、そのつがいに手を伸ばすのと同時に
伏せられた睫毛の上に口付けた。
「…先輩。」
彼の苛立ちの意味等分かっていて、しかし本当の意味は分からないまま…
ちょっと照れて笑った顔は可愛かった。
それを見てニヤニヤと悪戯っぽく笑う三上に、彼はそれ以上何も聞かなかった。
「そこまで、送るから」部屋に戻ると、ちょうど本箱の前に置いてあったでかい段ボールに半腰かけた水野が、雑誌をめくりながら大人しく待って居た。
それから小一時間程話し込んで、
誠二の方に掛かって来た誘いの電話に、竜也がじゃあ帰るよと切り出したのだった。
階段を降りたところで、また度着信音がなる。
もう、あとは一本道のこの廊下。名前を見て、慌てた藤代の様子を見て取って、
「ここでいいから。」と言おうと無言で竜也が手を振った。
それに頷くと、ごめんと手で謝ってから、階段の踊り場へと上がって行く誠二だった。
「・・・・。」全部が偶然だとは思って居ない。だからって今さら、藤代を疑ったりはしない。
万事は順調に進んでいて、何より、そこにハマる事が竜也の計画の一部なのであったから。
誰も居ない真直ぐな廊下、前だけを見て歩いて行く。それは3番目の曲り角。
「よお。」立ち止まってもすぐには振り向こうとしない竜也。
ゆっくりと視線をづらせば、
昔は部屋があったらしいそこに残る、外されたドアの上敷居部分に手を駆け、
時折体重を駆けながら、こちらを伺っている三上の姿。
「…話が違う。」
睨むような無表情で、こちらを見ないまま竜也が口を開く。
「まぁいいーじゃん。」
「ど−言うつもりだ?」
「…あっつくて。」
そう言って笑った亮をその時始めて不機嫌な顔で振り返った竜也の腕を、待ってましたとばかりに横道へと引っ張りこんだ。
2人して、様式のトイレの個室に入る。と言うか、首根っこを掴まれたまま乱暴に突っ込まれると言った方が正しかった。建て増し時に立地上取り付けたが。実際は来客者位しか使わない寂れた廊下。まあ、確かに徹夜した教員の良い寝床にはなってるみたいだったが。
タンクの方を向かせると、蓋を閉めた便器の上に膝を立たせる。竜也は逆らわないのか、逆らえないのか、大人しくしたがって居た。
「大分馴れて来た?アンタ便所の時ど−してたの?」
ふと笑いまじりの声が、聞こえる。
「別に…」
頬を伝って行く汗は、緊張からなのか安緒からなのか、さっきよりずっと増えていて。
タンクへとついた手は何かに耐える為かしっかりと握られていた。
腰から前に回した手でズボンのホックを外すと、ジッパーを下げる…
現れた白い股は時折微かに震えていた、
「ずっとこれだったの?」
秘そめ声がする。
「平気な顔して。すごくねー?」
背中に耳を付けのしかかる様に密着すると、竜也の早い鼓動の音や押し殺していた息の根が手に取る様に聞こえて来た。
膝まで下げたズボンを一旦そのままにして、片手を腰に、そしてもう片方の手を胸へと上げて、服の上から胸板を探ると。
堅くなって行く突起を見つけ、指の間で摘まみ上げた。
「っ…」と声がして微かに揺れる身体。
暫くそうして竜也を嬲りながら、項に唇を這す。
竜也はただ瞳を閉じて、じっとそれに耐えている。
彼の悦楽を上がって行く体温で感じ取った三上が…
耳もとで「壊すなよ…」と呟いた瞬間。
「ーーーーーーーー!!!!!」
静けさの中に竜也の悲鳴が響き渡った。
「いっっ・・・」それまで色付いていた肌に冷たい汗が浮いて行く、それが何よりその激痛を物語って居た。
耳を澄ませば微かに聞こえるモーター音。
三上の手に握られた小型リモコン…本体は2日前から竜也の中にあった。
「へーさすが名前にサイレンサーって付いてるだけ有るね。」
言いながら、竜也のトランクスの中に手を突っ込んで、双丘のくぼみから微かに顔を出すシリコン製のそれを、指でぐっと奥へと突っ込む。
「やめ…ぁっ・・・」途端上がる声。
がくんと崩れ落ちそうになる竜也を許さず、後ろから上半身をタンクの上へと押し上げる。
「ん、痛い?そりゃ良かった。俺、あんたの事嫌いだし。」
「…じゃ・・んで…んなこ・してん・・だよ・。」
もうほとんど身体を2つに折ってタンクへとしがみつく竜也が震える声を絞り出す。
「気晴らし。」
「・・最低だ・・な・・まえ…あっ……ぁああ!」
仰け反った竜也の身体が一度空を舞うかの様に仰け反り、ガックンと膝事便座の上に崩れ落ちた。
少し頭上から、質力を最大まで上げたリモコンを持つ亮が無表情な瞳でそれを見下げていた。
「痛いだけかよ?」
聞いて来るが竜也は答えない。
うなだれて荒い息を付いて居る身体の脇に手を入れ、くっと持ち上げると、
トランクスの裾から流れ出した白い雫が内股を膝へと伝って居た。
満足そうに薄く笑う亮。
スイッチを止めると今度はトランクスを降ろし、既に息絶えている竜也の中からそれを引き抜く。
内から圧迫が抜けて行く感触に、竜也がふと薄目を開けると、
亮と向き合う形で大股を開いてる自分が居た。
「なっ…ちょ…」何時の間に…
差恥に赤くなる頬。それどころか、さらに自分の腰を前へと引っ張る亮に、このまま便座から落ちるんじゃ無いかと言う恐怖にかられ、
思わず逆らう…と、急に動きを止めた亮の無味乾燥な冷たい瞳と目があって、止まる竜也。
身体が凍り付いた様に動かない。
一体何故。自分がこの男に従ってしまうのか。
全てがここに有るような気がした。
だが答え等、知る余地も無く…。
「んっ…」あっと言う間に足を抱え上げ、無造作に押し入って来る奴を結局受け入れる。
「すっげ−濡れてる。」
計っていた悪戯が成功した時の子供の様な、本当に嬉しそうな顔で竜也を見ながら言う。
狭い便所の中で文字通り便所になっている自分を、身体と離れた意識の端がどこからか冷静に見つめている様だった。
ペチペちと頬を叩かれて目を開けると…あいつの顔。「じゃーな。」
竜也が目を開けたのを確認すると開口一番にそう言い残し、戸を開ける…
はっとして身を起すと、その服の端を掴んだ。
「俺もお前が大嫌いだよ。」
そう言って、口元に笑みを称えたまま思いきり顔を歪めて自分を睨んだ竜也を、暫く見下していた亮だったが…
ふいにククッと笑うと、もう一度静かに戸を閉めて。
伸ばされた腕に身をしずめると、目蓋を落とした竜也に深く口付けるのだった。
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私にも意味不明なのであります(−−;)隊長ーーどこいくんすかーー!?(逃走)
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