ブラザー4
つまらないです…ご覚悟を(−▽ー;)
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どうする?
と突き付けられた問い。
少し離れた所から見下すような亮の顔が、まるで竜也に断罪を求めている様にも見えた。
「・・・・。」
とん、っと鎖骨のすぐ下を指で小突かれると、そのまま竜也の躰(上半身)はあっさりベットの上へと沈んで行く。
「言わないの?」
くすっと笑った亮にも竜也は無言だったが、つっとシャツの上から下の傷口に指を這わすと、微かに身を強張らせ顔を背けた。
上から順に1つ2つとシャツのボタンが外されて行き、みっつ開けたところで、中へと腕が滑り込む。
まだ薄皮のはったばかりの傷口を亮の指がかする度眉をしかめた。
時折そうして顔を歪めながら、息を詰めただ黙って彼の好きな様にさせながら亮を見上げる竜也。
視線が絡んでもそらそうとはしなかった。
「本気じゃねぇと思ってる?」
「いや…」
フンと、
「思ってるね。」
「思ってな「テメーはいっつもそうだ。」
「どーせこいつは出来ないやらないだろうって、どっかでタカをくくって斜に構えてる。どっかの親父そっくりな。」
むっとしても、まだ竜也は動かない、だが。
「あんたこそ、何で俺にかまうんだよ。」
真直ぐに見据え。
「別に。」
見上げて来る奴の瞳がどことなく優位に立ったのに気付いて、なだらかな胸板に開いたクレーターの一つに強く指を押し付けると、痛みに顔を歪めるが、すぐにこらえてこちらを睨み返した。
「…顔を見るのも嫌がってたくせに…」
「言うのか、言わないのか、はっきりしろよ。」
取り付く暇は渡さない。
「間違えんなよ、今聞いてんのは俺の方だぜ。」
「・・・・・。」
天上を仰ぎながら、しばし呆然としてする竜也。
許して、タノムカラ。…自分が。
自分がそんな人間だなんて思っても見なかった。あの瞬間までは。
屈強だなんて、とても思った事は無かったけど。(ガラじゃ無いし…)人に平伏せたりする様なプライドは持ち合わせていないと思って居た。
負けたのだ。
あの時。
死んだ方がましだ何て、かっこいい事は言えなかった。
あの痛みと言う苦痛から、差し迫る目先の恐怖から逃れる為に、自らを…捨てたのだ。
許す事等できなかった?…それ以前逃げた事を認める事すら出来なかった自分。
逃げた事…思うだけで胸が歪み、
一緒に甦る情景に手足が勝手に震える。
情けなさに、涙が込み上げるのを止められなかった。
無力な自分。
身を呈して自分を庇ってくれた野崎。
彼に頼ったのは彼を見捨てた事と同じ事。
誰の為でも無い。自分の為に。
野崎を見捨てて来た事を。今、改めて認めなくてはならなかった。
まさか死ぬなんて…。
では誰に許しをこえばいいと言うのか。野崎の他に誰が裁決を…下せると言うのか…。
軽く組んでのっけた肘で顔を隠したまま動かなくなった竜也を、その横で足を組みながら亮が肩ごしに見て居た。
「俺としては、」
その声に竜也の反応は無かったが、かまわず続けた。
詰まるトコ「あんたが何だろーとどーでもいんだけど?」
「ムカツクし。」
「けど今度の事には同情してやってんだぜ。」
その言葉に一瞬にして起き上がった竜也が、言葉にならない噴気を浮かべていたが…
バカにする訳でも無く、妙に真面目な顔でそう言った亮に、再び黙り込んだ。
目線の位置で見つめあう事になってしまった兄弟は何だか気まずい。
頬に残る涙の感触を拭いたいと思いながら、亮に見られて居る以上それも出来ず。
暫くして、竜也の方から顔をそらした次の瞬間、「なっ!・・・」
目に映ったのは自分の膝と…上からのしかかった三上の顔と後ろの天上。
ズボンのジッパーに掛かる手を慌てて押さえると、起き上がろうと抗うが、もがけばもがく程向こうも全体重で押さえ付けてきて、にっちもさっちも行かなくなる。
見上げても、亮は怖いくらいの無表情で、
ふと力を抜いた彼に、竜也も動きをとめる。
が…。
「で、前からされたの?それとも後ろから?」
その言葉にかっとなりかけた竜也が…だが見る見る顔色を無くして行く。試されているのは判っていた。
だが、殆ど条件反射の様に体に染み付いた記憶のお陰で、抗う力さえ失われる。
…つまり、のこのことあそこへ出かけて行くのはこー言う事なんだと。
無言の警告。
高く腰が抱え上げられた時、やっと竜也の腕が亮を掴み爪を立てた。「・…やめろ…」
「本気じゃ無いと思った?」
クスっと笑った顔に、心臓が凍るかと…
その時、押さえつけられて居た両足からあっさり亮が引き、
そのまま竜也の上にぼすっと沈んで来たのだ。
覆いかぶさって来た亮と2人してベットへ沈む、肩口に顔を埋め彼は動かない。
『!?』そのまま…耳もとでククっと漏らされた低い笑いに、思わず身構えるのを否めず、だが…
「ぜってー行かせねぇー…」
呟かれた言葉に思わず竜也は止まった。
覆いかぶさる温もりは、確かにカレと同じ物だったから。
外は雨で。
どのくらいそうして居たのか、…内線の子機がさっきからけたたましく鳴っている。と、ぱちりと目蓋をあける動作に自分が寝て居た事に気付いて、飛び起きれば、
もうそこに亮の姿は無かった。
「何?」受話器を取れば。
「たっちゃん?警察の人がお見えなんだけど…」
強張る真理子の声。
「!、ああ、今行く!」
思わず出た明るい声に、戸惑う真理子に気を使ってる余裕は無かった。
階段をおりれば、
おろおろする真理子の向こう側で、私服の二人組が竜也に向かって軽く会釈した。
玄関の横の壁一枚向こうへ視線をずらせば…こっちを見ながら同じ速度で箸を口に運ぶ三上親子の姿。
「内部告発があってね…。君の被害届が欲しいんだ…」
「まー良く有る話じゃんじゃねーの?」「いや、ねーだろ!」
「そっちじゃなくてさー。笠井の方。」
「ああ、」
いつものカラオケで、
さっきからなんだかんだで隣に座りながら、細かな言い争いを起こしている三上兄弟の横で、
しきりに亮にサワーを進めては同じ質問を繰り返す竹巳の姿。
「で?それで結局、最後まで行ったんですか?」
「は?行ってねー。」
「つーか行きましたよね。」
「行った行った。」「中西、テメー殺す!」
「じゃ、いかしたんだ?」
「イカシテモま・せ・ん。」
その横で、歌本で顔を隠しながら無理矢理それを無視し続ける竜也に、向いの根岸と近藤の話題は飛ぶ。
「お前どー思う?」「やったっしょ。」
「マジで?」
「大体、ここに来てる時点で……」
ちらっとこちらに気付いた竜也に黙る二人。
「あーして笠井と亮に無言のプレッシャーを…」
カタンと本を倒した竜也に、ぱっと本を持ち上げる二人。
・・・・・。
ちらっとほんの横から顔を出して、こっちを見サバ目で見張る竜也に中西が。
「…結局別件逮捕になったし。水野の名前は出ずに済んで良かったな。」
「どーーも。」そして再び歌本で蓋。
…何気に横から刺さる笠井の視線に耐え切れないのは、竜也も一緒だった。
「一言『やってませんから。』って言わない所がすでにそうですって…」「根岸先輩なんですか?」
「あ、何でも無いよ笠井。」
「けどまー兄弟なんだし。普通さあ…お前らそっちにばっか行き過ぎじゃねえ?」
とフォーローに入った近藤に、
「けど、『血は繋がってませんから。』」
何と揃った竹巳と…竜也の声。超竜也を見る竹巳に、横を向いたままの竜也。
「じゃあ…俺らはコレで」と席を立つ二人を、固まりながらも掴み戻す亮が居た。
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大変苦しみました。散々だけど、もうコレが精一杯でした。
書き直し過ぎて違う話になってしまいましたが、もう書きたく無いので出してしまいます;;。スイマセン。
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