ボーイミ−ツガール後
★ボーイミ−ツガールの続きです。う〜ん…(--;)
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「水野がサッカーを辞めた!?…」


何で?


「嘘だろ…」

水野がここへ来なくなって2ヶ月。

海外遠征を終えてやっとコレから…って言う時に

監督は何も言わず

学校すら休んでいると言う真しやかな噂に

嫌な予感と一緒に


その声だけが頭の中に響いて居た。



「え、あ、…だから別に辞めた訳じゃ…東京選抜を…」

「抜けた?って、どこいったんだよ、あいつ…」

誰が口を開く前に、風祭の前へぐっと抜き出た藤代の背中を、少し遠くでみながら…

思わず英士の顔を振り返ってしまったのは

何故だったのか…


そこに居た誰もと同じ様に驚きながら瞳を見開いていたけど

やがて小さく息を飲んで、藤代の背中から視線を反らして居た…


なによりも

その横顔がその時、俺の脳裏に焼き付いた


悔しいでも

怒ってるでもない

ただ

傷ついてる顔…



そうじゃなくて…、と賢明に弁明する風祭に

諦めずに食い付いていられる奴はまだ良い方で

もう何も聞きたく無いとばかりに顔を歪めて

部屋の隅にさっさと引き上げるとさっさと着替え出す幾人か…



実際俺達に

何が言えると言うのか

やろうがやめようがそんな物は個人の自由で

ことさら、

俺達は部活サッカーじゃ無じゃあるまいし

言おうが言うまいがそんな義務等…


ただそこに割り切れない人間関係が

邪魔をするだけで

クラブの出身者ならだれにでも

この程度の話は…どこにだって良く有る話

次々と隣の奴が去って行く選抜、又選抜の中で、生き残って来た俺達に取って

それはやっぱり…

日常で

当り前の事を、当り前の様に問うた藤代以外

流石にここには、そう騒ぐ奴は居なかったけど…



俯いて、

シャツをたくし上げ始めた英士の背中は

確かにその唇を噛み締めて居た。



悔しいのは

何よりも

置き去りにされたと思う自分自身の心…


ほんの1メートル先から伝わって来る、その痛みに

なんて声をかけようか口を開きかけた俺を後ろから遮ったのは


「どーしちまったんだろな…あいつ…」


結人の呑気な声。

本気で何て事もなかったようにポンと人の肩に肘を置いて

「明日聞いてみよーぜ」みたいなノリで軽々しく詮索するその様に

呆気に取られて顔をあげた英士も、

俺も…


ふさぎ込みそうになった自分に、やや頬が火照って居た…


「水野のヤロウ…」

思わず呟いた俺の声に

くっと小さく英士が笑って、


それを見た結人が

いししと笑ったのを

…相変わらずだとか、流石だとか、密かに思ってしまったのは俺だと願いたい…







「ちっとさ、寄って来ーぜ」

缶ジュースを取り出した俺の後ろで、再び突然響いた声に

「今日?」

の英士の返事…

「…いーよ、別に親しくもねーのに変だろ…」

「けど俺家知ってしさー、おばさんとだったらよく道で会ってっし、」

『はあ?』と顔を見合わせた俺達2人を

「ま、行こーぜ」の一言で

後押しする、全く結人らしい

強引…とは違う我侭な…説得力で

結局、俺達は、実は、秘かに通りかかる度にそうかもしれないと思っていた

あの家へ、赴く事になったのだった。




レンガブロックの塀が見えて来た頃

前を歩いて居た結人の足が突然止まって

その後から英士、

あっとつん詰まって「何だよ」身を乗り出した向こうには


何故か、水野の家の前に立ちはだかる金髪の男と…

意外にもそこには、鳴海に藤代…達…?



「あっちゃ〜」と漏らした結人に

顔を見合わせる英士

「何だあいつ、…まさか兄ちゃん?」

「いや…」

「げ、あいつ…藤村じゃね?」

「藤村…?」

一馬…と言う顔で振り向いた2人にぐっと堪えて

「しってるよ、関西のだろ、」と…



そこには確かに

何で人んちの前であんな事になっているのか…

押し問答する2組と

間で慌てる風祭の姿…



「だからいないゆーとるやろ、」

「何だよ、佐藤!だからそれはそれで、おばさんに話し聞くんだからさ〜!」

「つーかどけねーわけでもあんのかよ」ああ?とイライラと眉を寄せる鳴海にもなんのその

「別にぃ〜あらんけど。今日は俺が邪魔したいん。いいから諦めや、」

「だったら佐藤、一緒にいけばいーだろ?」

「あかんわ、」

「何でだよ!」


「待ってよ、シゲさんも藤代君も…!」

ますます食い下がる藤代に

だんだん、「もおいいや」みたいな顏になって来る桜庭や鳴海に

相変わらずの風祭


それも人の家の庭先で…




「・・・・。」


「出直そう…」

簡潔にそう言った英士に頷いたのは、2人も同時で

曲り角一つ残したその路上を

『あんなトコには入れるか』ともと来た道へ引き返したその時

横の路地から小走りで飛び出して来た

誰かと、結人が思いっきりぶつかったのだった…




その背、

髪の色

「水野!?」

…!




考えるよりも先に口にしたその名前、

だが、顔をあげたのは

奴そっくりな…

女…?だった。


突然叫んだ俺の声に

向こうも驚いて顔あげる

思いきり結人と抱き合ったまま

だと言う…そんな事すら数秒どこかへ行ってしまう程

水野にそっくりなタレ目の美人


本当に?

そう思わせる程、

細い二の腕と丸みを帯びた肩、

顎まで伸びたショートボブ、そしてピンで止めた分け目の違い以外…

なにより纏う空気こそが

全く同じ…


時を止めていたのは英士も一緒だった。

内心、何故だか戸惑う自分の横で

「ちょっと、結人…」

と冷静に事を進めたあいつは、何を思ったのか…


「あー悪ィ」

「いえ…」


引き離されたと同時に、そう言って俺から視線を反らすと

小さく頭をさげて

すり抜けて行こうとしたその身体を

呼び止めようとした俺の腕を、英士が掴んだのだ。


「なっ…聞かねーと、あいつどーみたって水野の…」


そこまで言う俺に困った顔で首をふる英士に…

呆然としながら、今彼女の過ぎて行った方を見送る結人。


「まさかね…」

「?」

そのつぶやきの意味等知るはずもなく

ただ唖然として顔を見合わせる2人に、ただイライラと、何なのか…

口を開きかけるが


「や、あいつ一人っ子だぜ…」

「従兄弟じゃ無い?」

「母親以外独身で、父親方は男ばっか」

「でも現にいるじゃない」

「…〜〜…・・。」

「…何でそんなに詳しいの?」

「昔近所だったつー話したじゃん」

「そうだっけ?」


自分の判らない所で交わされる会話…


「つーかよ、」

水野の妹、かわいーな?…


取りあえず、拗ねるよりは先に切り出してみた俺に、

同時に振り向いた2人の顔は能面だった。


「・・・・・。」




暫く俺を見てから

ぽんと肩にのっかる結人の左腕、


そしてくっと笑うと


「あの子今、ブラしてなかったぜ…」

とちょっと得意そうに右手を広げてみせてから

にししと笑っていた。


一拍遅れた俺の頬にかっと血が登るのと

英士の軽いグ−が結人の頭に入ったのは同じだった。




「て言う事は本当にあったんだ?」

「おう、」

……。

「だからなんの話しだよ」

「…あー一馬今の子何処にホクロあった?」

「んなことしるかよっ!」


しかしムキになる自分に答える2人はまだいなく

それぞれが

難しい顔で、自分の横を帰路に付くだけだった。







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つまらんですたい(涙)…時間と体力が無いです…
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